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土木製品FAQ

Q1 基礎杭に用いられるSKKとSTKの違いについて教えてください。
A

SKKは鋼管ぐいのJIS規格で、STKは一般構造用炭素鋼鋼管のJIS規格です。
JIS A 5525:鋼管ぐい(SKK)
JIS G 3444: 一般構造用炭素鋼鋼管(STK)
一般的に、基礎杭にはSKKを使用しますが、外径318.5mm未満の基礎杭の場合はSTKも使用できます。

SKKとSTKの主な違いは寸法許容差の設定です。
SKKは杭としての使用性に配慮されており、「現場円周溶接部の端面の目違い、端面の精度(平面度、直角度)、横曲がり、開先」などの寸法許容差が設定されています。また、SKKの「外径、厚さ、長さ」の寸法許容差は、STKのそれらより厳しく設定されています。
STKを基礎杭として使用する場合は使用者様にて適用性をご判断いただき、その杭の用途に合った寸法許容差を検討いただくことをお勧めします。

表1-1. SKKとSTKの寸法許容差の違い1),2)

SKK
JIS A 5525 鋼管ぐい
STK
JIS G 3444 一般構造用炭素鋼鋼管
外径(mm) 管端部のみ規定 ±0.5% 50 ≦D:±1%
※継ぎ目無鋼管または特に指定がない場合
厚さ(mm) +は規定なし
t<16、D<500:-0.6
    D<800:-0.7
    D≦2000:-0.8
16 ≦t、D<800:-0.8
D≦2000:-1.0
4≦t<12 m:+15%,-12.5%
12mm≦t:+15%,-1.5mm
※継ぎ目無鋼管以外で特に指定がない場合
長さ(mm) +規定せず、-0
※受渡当事者間の協定で+規定せず、-50mmを適用してもよい
+規定せず、-0
※受渡当事者間の協定によってもよい

参考文献
1)JIS A 5525:2019(鋼管ぐい)
2)JIS G 3444:2015(一般構造用炭素鋼鋼管)

Q2 鋼管杭の腐食代の考え方を教えてください。
A

■鋼管外面
一般的に、鋼管外面の腐食代は、環境下の腐食速度に耐用年数を乗じた減肉量とされています。
例えば、道路分野での常時土中にある部分の外面腐食代は、通常 片側1mmと設定しています。1)
(根拠:腐食速度0.01mm/年×耐用年数100年=1mm)

その他の分野においては腐食速度が異なったり、腐食代による設計が認められていないケースもありますので、各分野の設計基準等をご参照ください。

■鋼管内面
一般的に、鋼管内面の腐食代は考慮しません。
鋼管内面は閉鎖された環境のため、酸素の供給がなく、ほとんど腐食が進行しないとされています。
ただし、河川分野等では鋼管内面の腐食代を考慮する場合もありますので、詳細は各分野の設計基準等をご参照ください。

参考文献
1)杭基礎設計便覧、公益社団法人 日本道路協会、令和2月9月

Q3 鋼管杭に高強度鋼材は適用可能ですか?
A

港湾分野、治山分野、建築分野では、高強度鋼管杭の適用が可能です。
高強度鋼管杭を用いることで、杭重量・サイズ減による杭工事の重機の小型化や工期の短縮が可能となり、施工コストの削減に貢献できます。

詳細については各カタログをご参照ください。

(1)土木構造向け高強度鋼管杭「JFE-HT570PC」

(2)建築基礎向け高強度鋼管杭「JFE-HT590P」

なお、高強度鋼管杭とSKK400またはSKK490を現場溶接する場合は、低強度側の母材の規格値と同等もしくはそれ以上の機械的性質を有する溶接材料を用いたセルフシールドアーク溶接を基本としています。

高強度鋼管杭同士の現場溶接で溶接の品質を確保しにくい場合は、機械式継手のご使用をお勧めします。詳しくはお問い合わせください。

Q4 不等厚・異規格のある継ぎ部の板厚変化は何mmまで許容されていますか?
また、不等厚・異規格部の現場溶接は可能ですか?
A

①不等厚・異規格のある継ぎ部の板厚変化の許容値
杭基礎設計便覧には、断面変化位置について、
「極端な断面変化による応力集中を考慮して、1箇所での板厚変化の最大値は7mmとする。」と記載されています。1)

板厚変化量が7mmより大きい場合には、長さ2m以上の中間材を設けて段落としするのが一般的です。
なお、板厚変化量が7mmより大きい場合についての応力集中の考え方としては、ジャケット工法技術マニュアルに応力集中の検討の一例が紹介されています。2)

②不等厚・異規格部の現場溶接
(1)不等厚部
現場溶接ではなく、工場溶接を行うのが原則です。
工場溶接で板厚の異なる鋼管杭を溶接する場合は、JIS A 5525(鋼管ぐい)に示されているように、削成部(断面変化部)を設け、応力集中を緩和する処置を行います。3)(図4-1)
(2)異規格部
現場溶接ではなく、工場溶接を行うのが原則です。

図4-1. 不等厚部の削成部3)

図4-1. 不等厚部の削成部3)

なお、不等厚・異規格部を現場継ぎしたい場面では、継ぎ部に機械式継手を適用することをお勧めします。詳しくはお問い合わせください。

参考文献
1)杭基礎設計便覧、公益社団法人 日本道路協会、令和2月9月
2)ジャケット工法技術マニュアル、一般財団法人 沿岸技術研究センター、平成12年1月
3)JIS A 5525:2019(鋼管ぐい)

Q1 鋼矢板の型式はどう使い分けますか?
A

400mm幅の鋼矢板(JFESP-2,3,4)は主に仮設材として使用します。500mm幅の鋼矢板(JFESP-5L,6L)、600mm幅の幅広鋼矢板(JFESP-2W,3W,4W)、900mm幅のハット型鋼矢板(JFESP-10H,25H,45H,50H)は本設材として使用します。壁として必要な性能および経済性によって各用途内での型式を選定します。

表1-1 鋼矢板の断面性能一覧1)

型 式 寸 法 鋼矢板1枚当たり 壁幅1m当たり
有効幅
W
(mm)
有効
高さ
h
(mm)
厚さ
t
(mm)
断面積
×10−4
(m2
断面二次
モーメント
×10−8
(m4
断面係数
×10−6
(m3
単位質量
(kg/m)
断面積
×10−4
(m2/m)
断面二次
モーメント
×10−8
(m4/m)
断面係数
×10−6
(m3/m)
単位質量
(kg/m2
塑性断面係数
/弾性断面係数
(Zp/Ze)
JFESP-2W 600 130 10.3 78.70 2,110 203 61.8 131.2 13,000 1,000 103 1.13
JFESP-3W 600 180 13.4 103.9 5,220 376 81.6 173.2 32,400 1,800 136 1.14
JFESP-4W 600 210 18.0 135.3 8,630 539 106 225.5 56,700 2,700 177 1.18
JFESP-2 400 100 10.5 61.18 1,240 152 48.0 153.0 8,740 874 120 1.14
JFESP-3 400 125 13.0 76.42 2,220 223 60.0 191.0 16,800 1,340 150 1.13
JFESP-4 400 170 15.5 96.99 4,670 362 76.1 242.5 38,600 2,270 190 1.14
JFESP-5L 500 200 24.3 133.8 7,960 520 105 267.6 63,000 3,150 210 1.16
JFESP-6L 500 225 27.6 153.0 11,400 680 120 306.0 86,000 3,820 240 1.18
JFESP-10H 900 230 10.8 110.0 9,430 812 86.4 122.2 10,500 902 96.0 1.16
JFESP-25H 900 300 13.2 144.4 22,000 1,450 113 160.4 24,400 1,610 126 1.15
JFESP-45H 900 368 15.0 187.0 40,500 2,200 147 207.8 45,000 2,450 163 1.16
JFESP-50H 900 370 17.0 212.7 46,000 2,490 167 236.3 51,100 2,760 186 1.16

U形鋼矢板(JFESP-2,3,4,5L,6L,2W,3W,4W)、ハット形鋼矢板 (JFESP-10H,25H,45H,50H)

参考文献
1)JFESP® JFEの鋼矢板
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Q2 型式の異なる鋼矢板の嵌合性は?
A

鋼矢板の継手部は「図2-1」、「図2- 2」に示す範囲で、同一メーカー内であれば相互に嵌合することが可能です。ただし、ハット形鋼矢板とU形鋼矢板は嵌合することができず、異形鋼矢板が必要になります1)
また熱間圧延コーナー鋼矢板を用いた場合は「図2-3」に示すように嵌合が可能です。

図2-1 ハット形鋼矢板の嵌合性2)

図2-1 ハット形鋼矢板の嵌合性2)

図2-2 U形鋼矢板の嵌合性2)

図2-2 U形鋼矢板の嵌合性2)

図2-3 コーナー鋼矢板の嵌合性2)

図2-3 コーナー鋼矢板の嵌合性2)

参考文献
1)鋼矢板Q&A、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成29年3月
2)JFESP®JFEの鋼矢板
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Q3 ハット形鋼矢板のコーナー矢板はありますか?
A

U形鋼矢板は熱間圧延コーナー鋼矢板で90゜コーナー部の施工が可能ですが、ハット形鋼矢板にはコーナー矢板はなく、異形鋼矢板を用いてコーナー部の施工に対応します。 「図3-1」にハット形鋼矢板コーナー部の異形鋼矢板の例を示します。

図3-1ハット形鋼矢板コーナー部の異形鋼矢板(例)1)

図3-1ハット形鋼矢板コーナー部の異形鋼矢板(例)1)

参考文献
1)JFESP®JFEの鋼矢板
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Q4 異形鋼矢板の断面・形状検討に際しての基本的な留意事項は?
A

異形鋼矢板の断面・形状の検討の際は、製造上および施工上の制約を満足しなければなりません。
製造の際には切断および溶接可能範囲を考慮する必要があります。「図4-1」に鋼矢板の切断および溶接可能範囲を示します。
施工の際には施工法や使用機械の制約条件を考慮する必要があります。バイブロハンマや圧入機で異形鋼矢板を掴む際に形状によっては、鋼矢板とチャックが干渉し、打設できなくなる場合があります。
異形鋼矢板の詳細の製造可能形状、各施工機械のチャッキング範囲の詳細についてはお問い合わせください。 1)

図4-1 鋼矢板の切断および溶接可能範囲(概略)

図4-1 鋼矢板の切断および溶接可能範囲(概略)

参考文献
1)鋼矢板Q&A、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成29年3月

Q5 重防食被覆範囲の決め方は?
A

港湾域における鋼材の深度方向の腐食速度は一般に「図5-1」に示すように分布し、それぞれの環境では「表5-1」に示すような速度で腐食が進行するとされています。
図より腐食が進行しやすい部位は、飛沫帯と干満帯(L.W.L.)直下の範囲です。飛沫帯や干満帯の防食方法としては、被覆防食が有効であり、その被覆範囲はコーピング直下からL.W.L.-1.0m以深とすることが一般的です。なお、コーピングコンクリートへの被覆部の埋め込み代は、50mm~100mm程度が一般的です。1)

図5-1 鋼材の腐食速度分布2)

図5-1 鋼材の腐食速度分布2)

表5-1 鋼材の平均腐食速度2)

腐食環境 腐食速度(mm/年)
1) H.W.L. 以上
2) H.W.L.~ L.W.L.-1.0m以上
3) 海水中
4) 海底土中部
5) 背面土中部
a.残留水位より上
b.残留水位より下
0.3
0.1~0.3
0.1~0.2
0.03

0.03
0.02

参考文献
1)港湾鋼構造物 防食・補修マニュアル(2009年版)、一般財団法人 沿岸技術研究センター、平成 21 年11月
2)鋼矢板Q&A、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成29年3月

Q6 ハット形鋼矢板の重防食塗装面に関する留意事項は?
A

ハット形鋼矢板の場合、継手部に流木等が直接当たるのをできるだけ避けるため、継手部が内側(背面側、陸側)になるように配置することが一般的です。1)
そのため、ハット形鋼矢板の重防食は、通常山側(継手と反対側)に塗装します。

図6-1 ハット形鋼矢板の重防食塗装面2)

図6-1 ハット形鋼矢板の重防食塗装面2)

参考文献
1)港湾鋼構造物 防食・補修マニュアル(2009年版)、一般財団法人 沿岸技術研究センター、平成 21年11月
2)鋼矢板Q&A、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成29年3月

Q7 鋼矢板の継手効率とは?
A

U形鋼矢板壁の場合、土圧等の作用荷重により曲げを受けた際に、壁体の圧縮側と引張側で部材が分かれているため継手部にずれが生じ、鋼矢板壁の剛度や断面係数が低下します。この低減率を継手効率と呼びます。1)
永久構造物として使用される場合、鋼矢板頭部を笠コンクリート等で拘束する場合が多く、継手のずれを小さくする効果があります。通常、各基準等に記載されている継手効率は、頭部拘束を考慮した値です。
継手効率の値は、「表7-1」 のように各基準等によって異なっており、留意が必要です。 なお、ハット形鋼矢板壁は、継手が壁体外縁に一律に位置するため、隣接する継手とずれが生じません。よって、継手効率の低減を基準・指針等を問わず、考慮する必要はありません。

表7-1 継手効率の代表値

基準・指針等 断面二次
モーメント(I)
断面係数(Z)
港湾の施設の技術上の基準・同解説(2018) 数値の規定はない。
災害復旧工事の設計要領(2020) 0.8 1.0
災土地改良事業計画設計基準・設計「水路工」
基準書・技術書(2013)
0.8 1.0
漁港・漁場の施設の設計の手引(2003) 記載無し
自立式鋼矢板擁壁設計マニュアル(2007) 0.8 1.0

参考文献
1)鋼矢板:設計から施工まで、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成26年10月

Q8 現場縦継仕様はどのように決定しますか?
A

鋼矢板が輸送時や打設時等に長さ制限を受ける場合には、現場での縦継ぎ溶接が必要になります。縦継ぎ溶接を行う場合、壁体としての応力集中を避けるために溶接箇所を図8-1に示すように千鳥配置とします。千鳥間隔は、1m以上が推奨されます。
継手断面では、現場施工上の制約から溶接できない箇所があること、許容応力度が低減されることから、不足した断面を補強版を用いて補います。許容応力度の低減は90%であれば各指針の基準を満足するため、鋼管杭・鋼矢板技術協会では許容応力度を90%とした場合の現場溶接継ぎ仕様を標準化しています。1)

図8-1 鋼矢板の現場溶接継手の配置2)

図8-1 鋼矢板の現場溶接継手の配置2)

参考文献
1)鋼矢板:設計から施工まで、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成26年10月
2)鋼矢板Q&A、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成29年3月

Q9 硬質地盤(N値>50)での施工例は?
A

一般的にN値が50 以上の礫層や岩からなる硬質地盤での施工には補助工法を用います。硬質地盤で施工可能な主な工法を「表9-1」に紹介します。1)
また、JFEスチールでは強度の大きい鋼矢板を基盤岩へ直接打設を行うガンパイル工法を保有しています。 どれも特殊な施工となり、施工に際しての検討が必要になるので詳細についてはお問い合わせください。

表9-1 主な硬質地盤対応工法

工法分類 工法概要
ウォータジェット併用
電動式・普通型
バイブロハンマ工法
・50<Nmax≦180の地盤に対応
・鋼矢板先端に取付けたウォータジェットカッタより、高圧力の水が噴射され、地盤を切り崩しながら打設を行う
ウォータジェット併用
油圧式・可変超高周波型
バイブロハンマ工法
・50<Nmax≦180の地盤に対応
・鋼矢板先端に取付けたウォータジェットカッタより、高圧力の水が噴射され、地盤を切り崩しながら打設を行う
硬質地盤対応
油圧圧入工法
・50<Nmax≦180の地盤に対応
・圧入機を取付いたオーガを先行掘削させ、オーガを引き抜くと同時に鋼矢板を圧入する
ガンパイル工法 ・5MN/m2≦一軸圧縮強度qu≦100MN/m2の地盤に対応
・強度の大きい鋼矢板を基盤岩へ直接打設
・先端部から噴出する低圧のジェット水で岩砕粉を洗浄除去し、打設効率を上げる

参考文献
1)国土交通省土木工事標準積算基準書 令和2年度版、一般財団法人建設物価調査会

Q10 鋼矢板の回転角度と最小半径は?
A

鋼矢板の継手部には、施工性を考慮してある程度の遊間が設けられています。継手の回転角度を「図10-1」、「図10-2」に示します。
また、この回転性を利用して、曲線施工をすることも可能です。各型式を曲線施工する場合の最小半径を「表10-1」に示します。回転角より鋼矢板で円を描く場合に必要な枚数を算出し(U形鋼矢板の場合は360゜÷6゜=60枚)、その円の円周より半径を求めています。
なお、表に示す値はバイブロハンマを用いた場合であり、圧入機を用いる場合は回転角が小さくなり最小半径は大きくなります。

図10-1 U形鋼矢板の継手回転角度1)
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図10-1 U形鋼矢板の継手回転角度1)

図10-2 ハット形鋼矢板の継手回転角度1)

図10-2 ハット形鋼矢板の継手回転角度1)

表10-1 鋼矢板の曲線施工時の最小半径

型式 嵌合角度 最小半径
400mm幅(JFESP-2,3,4) 3.83m
500mm幅(JFESP-5L,6L) 4.78m
600mm幅(JFESP-2W,3W,4W) 5.74m
900mm幅(JFESP-10H,25H,45H,50H) 12.9m

参考文献
1)鋼矢板Q&A、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成29年3月

Q1 鋼管矢板の継手の使い分けを教えてください。
A

一般的に鋼管矢板の継手は、その用途・使用目的に応じて適切に選定します。
用途・構造物ごとの選定の目安を表1-1に、各継手の形状を表1-2に示します。

壁用途に着目すると、港湾分野の護岸・岸壁ではL-T形が、道路・鉄道分野の護岸・擁壁ではP-T型が多く採用されています。
基礎用途では、遮水性能が求められるので、モルタル詰めを併用したP-P型が採用されます。

表1-1 一般的な用途分類

用途 構造物 継手
本設 土留め、擁壁、仮締切り、護岸、岸壁 P-P形、P-T形、L-T形
基礎 本仮設兼用 鋼管矢板基礎 P-P形
その他 仮設 パイプルーフ L-L形

表1-2 継手形状と寸法表示1)

継手形状 継手寸法
mm
単位質量
kg/m
摘要
イメージ:(a)L-T型 L - 65 × 65 × 8
T - 125 × 9 (× 39× 12)
15.3
12.7
L : A × C × t
T : B × t2 (× H × t1)
L - 75 × 75 × 9
T - 125 × 9 (× 39× 12)
19.9
12.7
L - 100 × 75 × 10
T - 125 × 9 (× 39× 12)
26.0
12.7
イメージ:(b)P-P型 φ 165.2 × 9
φ 165.2 × 11
34.7
41.8
P : D × t
イメージ:(c)P-T型 φ 165.2 × 9
T - 76 × 85 × 9 × 9
34.7
10.9
P : D × t
T : H × B × t1 × t2

参考文献
1)JFEの鋼管矢板 
カタログはこちら

Q2 鋼管矢板の継手P-P型の板厚の違い(t9, t11)の使い分けを教えてください。
A

一般的に用途によって使い分けられます。
鋼管矢板基礎の場合は11mmが標準的に用いられます。1)
また、その他一般(土留め用途など)の場合は9mmが採用されることが多いです。
施工上の耐久性や腐食などに配慮する場合は11mmを使用することもあります。

図2-1 P-P型

図2-1 P-P型

参考文献
1)鋼管矢板設計施工便覧、公益社団法人 日本道路協会、平成9年12月

Q3 鋼管矢板基礎のプレカットとは何ですか?プレカット部周辺の未溶接区間の止水処理はどのように実施するのでしょうか。
A

仮締切り兼用方式の鋼管矢板基礎では、躯体コンクリートの施工が完了した後、締切り壁として利用した鋼管矢板を水中で切断・撤去する必要があります。プレカットとは、鋼管矢板を切断・撤去するために、予め切断予定深度の継手管を切断しておくことをいいます。

鋼管矢板の水中切断機には、ディスクカッター切断法、ウォータージェット切断法などがあり、鋼管矢板の寸法や施工条件などにより、 適切な方法が採用されます。ディスクカッター切断式の場合、鋼管本体のみの切断しかできないため、プレカット併用が必要です。

プレカットは工場で実施されます。
「図3-1」に示す未溶接区間には止水性材が充填されます。充填材には建築用のシーリング材を使用し、工場において予め充填する場合と現場において充填する場合があります。1)

図3-1 プレカットの構造2)

図3-1 プレカットの構造2)

参考文献
1)鋼管杭・鋼管矢板の附属品の標準化、一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、平成30年5月
2)JFEスチール 鋼管矢板基礎
周辺技術資料はこちら

Q4 鋼管矢板の現場継手に適用できる機械式継手はありますか。
A

JFEスチールでは、用途や施工環境によって選択できるようハイメカネジ®とカシーン®の2種の機械式継手をラインナップしています。
詳しくはお気軽にお問い合わせください。

図4-1 ハイメカネジ®(ねじ式)1)

図4-1 ハイメカネジ®(ねじ式)1)

図4-2 カシーン®(差し込み式)2)

図4-2 カシーン®(差し込み式)2)

ハイメカネジ® カシーン®
適用範囲 φ318.5~2000
t6~60mm (SKY400)
t6~45mm (SKY490)
t6~30mm (SM570、SM490Y)
φ400~1600
t6~30mm(SKY400、SKY490)
特長 多条平行ねじを用いて少ない回転で接合可能な機械式継手です。
芯合わせ後、PIN継手を回転させながら挿入し、逆回転防止ピンの取り付けにより接合を完了します。
差込式の機械式継手です。
芯合わせ後、雄継手を雌継手の中に変形させながら挿入し、芯合わせ用の結合ボルトの締結により接合完了します。

参考文献
1)ハイメカネジ®
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2)カシーン®
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