セメント用原料
高炉水砕スラグを微粉砕した高炉スラグ微粉末は、高炉セメント原料や生コンクリート混和材としてコンクリート構造物の耐久性を向上。高炉セメントB種の場合、セメント1tあたりのCO2排出量を42%低減するなど、脱炭素にも貢献。
- 主な使用用途
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- コンクリート構造物
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高炉水砕スラグ
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高炉スラグ微粉末
当社では高炉水砕スラグを製造しており、高炉スラグ微粉末は、当社グループ会社(千葉リバーメント(株)、水島リバーメント(株))で製造しています。
POINT 特徴
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- 01 省資源・省エネルギー・CO2削減に貢献
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高炉セメントの使用で、以下の環境負荷低減に貢献します。
- 省資源:高炉水砕スラグの混合量に相当する普通ポルトランドセメントを減らすことで原料の石灰石を削減でき、省資源と自然環境保全につながります。
- 省エネルギー:高炉水砕スラグは焼成工程が不要のため、セメント製造時に使用する石炭や電力の消費量が低減でき、省エネルギー効果が上がります。
- CO2削減:石灰石やエネルギーの消費量が少なく、CO2の排出量が低減できます。
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- 02 長期強度の増進
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普通ポルトランドセメントと比べて、高炉セメントを使用したコンクリートは長期強度が大きいという特長を有し、多方面の用途に使われています。
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- 03 コンクリート構造物の耐久性向上
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高炉セメントは、〇アルカリ骨材反応抑制効果が大きい 〇海水や化学物質への耐久性が高い 〇塩素イオン浸透抑制効果にすぐれる などの特長により、コンクリート構造物の耐久性を向上させます。
DETEAL 詳細
高炉セメントの種別
種別 | スラグ分量 |
---|---|
高炉セメントA種 | 5〜30% |
高炉セメントB種 | 30〜60% |
高炉セメントC種 | 60〜70% |
JIS R 5211:2009 高炉セメント
高炉セメントの製造フロー

出典:鐵鋼スラグ協会「環境資材鉄鋼スラグ」(2022年11月)
省資源、省エネルギー、CO2排出削減について
省資源 | 高炉水砕スラグの混合量相当の普通ポルトランドセメント使用量が削減され、 その原料である石灰石を節約することができ、 省資源と自然環境保全につながる。 |
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省エネルギー | 高炉水砕スラグは焼成工程が不要のため、セメント製造時に使用する石炭や電力の消費量を低減することが可能で、 省エネルギー効果を上げることができる。 |
CO2削減 | 石灰石やエネルギーの消費量が少ないため、CO2の排出量を低減することができる。 |
高炉セメントと普通ポルトランドセメントのCO2排出量比較
「セメント1tあたりのCO2排出量」
単位:kg
CO2排出源 | 普通ポルトランドセメント CO2排出量① |
高炉セメントB種 CO2排出量② |
CO2削減量 ①-② |
CO2削減量 (%) |
---|---|---|---|---|
石灰石 | 476 | 270 | 206 | 43 |
電力・エネルギー | 283 | 170 | 113 | 40 |
計 | 759 | 440 | 319 | 42 |
出典:鐵鋼スラグ協会「環境資材鉄鋼スラグ」(2022年11月)
品質規格
品質 | JIS A 6206規格値 (高炉スラグ微粉末4000) |
|
---|---|---|
密度(g/cm3) | 2.80以上 | |
比表面積(cm2/g) | 3500以上、5000未満 | |
活性度指数 (%) | 材齢7日 | 55以上 |
材齢28日 | 75以上 | |
材齢91日 | 95以上 | |
フロー値比(%) | 95以上 | |
酸化マグネシウム(%) | 10.0以下 | |
三酸化硫黄(%) | 4.0以下 | |
強熱減量(%) | 3.0以下 | |
塩化物イオン(%) | 0.02以下 |
JIS A 6206:2013 コンクリート用高炉スラグ微粉末
※ 原材料に用いる高炉水砕スラグの塩基度:1.60以上
Technology 関連技術基準
- JIS R 5210:2009 ポルトランドセメント、JIS R 5210:2019 (追補1)
- JIS R 5211:2009 高炉セメント、JIS R 5211:2019 (追補1)
- JIS A 6206:2013 コンクリート用高炉スラグ微粉末
Achievement 主な実績
セメント用原料として高炉水砕スラグを年間約600万t出荷しています。
CATALOG & JFE TECHNICAL REPORT カタログ&JFE技報
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- JFE技報
- JFEスチールの鉄鋼スラグに関する研究開発について技報としてまとめています。
No.19 スラグ製品特集号
No.40 スラグ製品特集号