INTERVIEW
2007年入社
政治経済学部 経済学科卒業
CAREER STEP
1年目 | 東日本製鉄所 工程部 京浜厚板・鋼管工程室 厚板の生産管理を担当。生産効率の向上と納期厳守の両立に取り組む。東日本大震災では復興案件で京浜地区からも厚板を多く納入した。 |
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7年目 | 東日本製鉄所 工程部 計画室 京浜地区で製造された鋼材の物流管制業務を担当。物流を担う船やトラック不足等の課題山積みの中、納期厳守に奔走した。 |
10年目 | 本社 厚板・形鋼輸出部 造船室 韓国や台湾の顧客向けの営業担当。台湾の風力発電案件に注力することへの対応のため、本格的な技術検討に参画。 |
13年目 | シンガポール事務所 薄板・ステンレス・電磁の営業、通商、総務担当。 |
学生時代は、ラグビーに打ち込んでいました。私にとって、高校時代から続けてきたラグビーの経験は貴重であり、チームワークの大切さをはじめ多くのことを学んだと思っています。また、チームの「縁の下の力持ち」的な存在に徹することに、自分の持ち味があることを自覚したのもラグビーを通じてでした。
就職活動では次の4点を軸にして、多くの人に会って話をすることを心がけました。一つは、大きなプロジェクトに携わって社会に貢献すること。二つ目は海外で仕事をすること。三つ目がチームワークの中で持ち味を発揮できる仕事をすること。そして最後に、一緒に働きたいと思える人がいる会社で働きたいということでした。JFEスチールは、この四つの軸に最も当てはまる会社でした。中でも私は「人」を最も重視していたのですが、就職活動中に社員の方の話を聞く機会を一番提供してくれたのがJFEスチールだったんです。特に印象的だったのは、他社の社員の方の多くは自社の良さや強みを話すことが多かったのに対し、JFEスチールの社員は、良いところもそうでない部分もフランクに、オープンに語ってくれたこと。その姿勢に惹かれことも、入社を決めた理由の一つです。
現在駐在しているシンガポール事務所は、シンガポール、マレーシア及びオセアニア地域をテリトリーとしています。中でもシンガポールやマレーシアは、電化製品、自動車、オートバイ、自転車の部品などの主要生産拠点であり、そこで私は主に、薄板、ステンレス、電磁鋼板といった製品の営業を担当しています。ただ、シンガポール事務所は独自に営業活動をしているわけではなく、現地情報を本社に伝え、本社の意思決定をサポートすることで、既存需要家との関係継続や新規需要家開拓などを進めています。
こうした営業活動に加えて、通商や事務所運営のための総務も担当しています。近年、ASEAN各国で地場の鉄鋼メーカーが続々と立ち上がってきています。そこで起きる通商問題の一つが、地場の鉄鋼メーカー保護のために、国が安価な海外製品の流入に制限をかける「アンチダンピング」です。こうした措置に対して、日本からでは入手が困難な関連情報を現地でいち早くキャッチし、それを本社に提供して、適切に対応していくことが肝になります。
また総務担当の仕事としては、法律や税制などの変化への対応も求められます。特にシンガポールはそれらがスピーディーに変化するため、適宜、弁護士やコンサルタントといった専門家の方々にアドバイスを受けながら対応しています。これは実は、相当大変な業務。しかし、日本ではまずこのような機会はありませんし、そうした環境下で事務所運営に携われることは非常に刺激的であり、海外駐在の醍醐味を実感しています。
日本と海外のビジネス慣習の違いには、当初戸惑いを覚えました。たとえば、品質問題が発生した際、日系企業のお客様であれば、問題を調査し、原因を究明して、対策を講じる流れになりますが、地場のお客様の場合、即座に補償を要求してくるケースが少なくありません。どのような対応が適切であるかどうか以前に、彼らにとって大事なのはビジネスのスピード感。日本流ではスピーディーさに欠ける場面が多々ありました。いかにスピード感を持って対応し、相手に理解・納得を求めていくか。課題の一つとして取り組んでいます。
また、言語の違いは時として大きな壁になります。実はこれまでの人生、英語の使用をずっと避けてきたのですが、さすがに海外駐在では避けて通れません(笑)。今でも、お客様やナショナルスタッフに説明しても伝わらず、途方に暮れることが多々ありましたが、何かしら発信しないことには自分のアイデアや意見がゼロと捉えられてしまいます。ですので失敗を恐れず、とにかく自分の口で熱意を込めて説明することを心掛けています。そうした中、たとえば新しいルールを取り入れ、所員全員が働きやすいと感じてもらえたときなど、やりがいを感じますね。自分が作ったルールが残るというのも、爪痕を残した手応えがあり達成感があります。
鋼材をマレーシアに輸入するためには、年に一回当局の監査を受審する必要があります。通常であれば、監査官が来日し、工場で各製造工程などを監査し承認を得て、出荷が可能となります。しかし世界的なコロナウイルスの感染拡大によって、この監査が2020年よりリモートで行われることになりました。リモート監査という前代未聞の事態の中、私は監査機関、工場サイドと綿密に打ち合わせを重ね、可能な限りの工場内映像の収集や、監査官のヒアリング対応のための体制構築など、リモート監査の実現に向けて奔走。無事に監査が実行され承認がおりたときは、大きな達成感を味わいました。
現在、シンガポールに赴任して3年経ちます。この間は、当社が海外からどのように見られ、評価されているのかを再認識する時間でもあったと思います。当社鋼材の品質は高い評価を獲得していますが、実は中国、韓国などの鉄鋼メーカーも遜色ない高品質の製品を供給しつつあります。しかも低価格。その中でいかに勝ち残っていくのか。海外駐在を通して、海外のお客様のニーズや当社の立ち位置を知ることができ、新たな視点でビジネスを俯瞰することができるようになったと思います。この経験を活かし、今後も海外営業や海外事業に携わっていきたいと考えています。
学生時代からこれまでラグビーを続けてきました。しかしアラフォーのせいか、怪我も増えてきて当面はプレーヤーを自粛。ただ大好きなラグビーには関わりたいので、週末は当地の日本人会・ラグビー同好会のキッズチームのコーチをしています。30名以上の子どもたちが集まり、楕円球を追いかけながら縦横無尽にグランドを走り回っています。私自身は、仕事のとき以上に、人に的確に伝えること、教えることの難しさを痛感していますが、一番のリフレッシュの時間となっています。