INTERVIEW
2010年入社
経済学部 経営学科卒業
CAREER STEP
1年目 | 東日本製鉄所 企画部 経理室(千葉駐在) 製鋼部、ステンレス部のコスト管理。 |
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4年目 | 本社 経理部 計画室 本社費、通商(AD対応)を担当。 |
6年目 | 本社 経理部 資金室 JFEスチールの資金計画作成業務、海外投融資プロジェクト支援に従事。 |
10年目 | 英国留学 コロナの影響により途中帰国。 |
11年目 | 本社 経理部 資金室 JFEスチール連結の資金計画作成業務、新しい資金調達スキーム構築に従事 |
12年目 | 東日本製鉄所 企画部 経理室(京浜駐在) 京浜地区の利益計画策定および決算業務を担当。 |
大学では、ミクロ経済、マクロ経済など、幅広く経済分野を学びました。就職活動で軸としたのは、目に見える形で社会への貢献を実感できる仕事であり、会社であるということ。自社製品を供給している会社に注目していたため、製造業、特に素材メーカーを志望していました。素材はあらゆる産業分野に必要とされ、社会への貢献度が高いと思ったからです。素材の中でも「鉄」は、地球全体で最も質量が多い元素であり、地球の中心にある核の成分。どこにでもある、何ら変哲のない鉄ですが、それが地球を支え、産業を支え、社会を支えていることに興味が湧きました。
JFEスチールは会社説明会で知ったのですが、実は、素材や鉄という視点で就職を考え始めたのは、JFEスチールとの出会いがきっかけです。その後、実際に社員の方々と交流する機会をいただいたのですが、そこで働いている人が実に多様で、さまざまな個性を持った人がいることを実感しました。仕事の楽しさややりがいを語る先輩たちの人柄に触れ、「ここなら自分もやっていける」と思い、入社を決めました。
私が所属する東日本製鉄所は、京浜工業地帯の一角に位置し、高炉・転炉などの銑鋼部門、厚板・熱延などの圧延部門などにおいて、日夜生産活動を続けています。その中で私は、京浜地区の利益計画の総括を担当しています。製鉄所には製銑、製鋼、圧延などの工程がありますが、各部門でコスト削減を含めたコスト管理が行われています。そうしたコストに関する情報を収集し、本社で管理している原料価格、売上価格の情報と合わせることで、京浜地区の「利益計画」を策定し、製鉄所幹部および本社に報告、さらに京浜地区の損益をとりまとめ、計画との差異を整理、報告するのが私の役割です。
利益計画とは、生産状況や外部環境の変化などを考慮し、将来の利益目標を策定することです。利益計画が必要な理由は2点あります。一つは上場企業である親会社のJFEホールディングスが、外部投資家に対し、将来の事業予測を行うため。もう一つは、目標利益を定めることで、計画と実際の操業における差異をフォローしていく指針となり、また目標利益は、社員が働くモチベーションにもなります。
利益計画や損益を経営判断材料として提供する際は、数字が持つ意味・背景を明快に説明することが求められます。そのためには、ただ専門用語を並べて説明するのではなく、相手が理解しやすいように語ることが重要であり、また難しいところでもあります。利益計画や損益およびその背景を語るには、原料市況、販売環境、製造知識、会計知識などさまざまなことを知っておく必要がありますが、自分一人でできることは限られています。また、経理は単独では成り立たず、他部署との情報連携、共有があってこそ成り立つもの。室内には自分が知らないことを知っている先輩・後輩・部下もいるので、そうした人たちといかにコミュニケーションを密にとり、情報共有を図るかが、この仕事のカギとも言えます。
当社では地区別損益管理をしているため、実質的に一つの地区は一つの会社のようなものです。その損益管理という重要な業務を担っていますが、原材料価格高騰や自然災害、景気変動による需要減退などの外的要因で、策定した利益計画とずれる場合が少なくありません。大きくずれた場合、何が起こっているのかをタイムリーに把握し、必要に応じて製鉄所幹部と情報を共有して、工場全体として取るべきアクションにつなげていきます。困難な状況に陥ることもときにはありますが、それを乗り越えた際は、大きな達成感も得られます。
私は製鉄所と本社の経理いずれも経験していますが、入社6年目、本社経理部資金室に配属となりました。それまで経理担当として社内各部署とのやり取りが多かったのですが、資金室では外部の金融機関とのつながりがある部署でした。外から自分の会社がどう評価されているか、初めて自社を客観的に見る視点を得られたと思います。また、資金室ではいくつかの海外投融資プロジェクトに参加し、会社の海外戦略に触れる貴重な経験を出来ました。その際は、財務の専門家としてプロジェクトの経済性を評価する業務を担当したことで、会社の財務状況を俯瞰して分析し、提案できるスキルを身に付けることができたと感じています。その後、英国に留学する機会を得ましたが、多国籍の人と交わる中で、自分の意見を発信することの重要性を認識しました。
こうしたこれまでの経験を活かして、将来は海外子会社の経理・財務のポジションで働いてみたいと思っています。海外子会社の場合、会計、財務、税務など幅広い業務に携わることで大きく成長できる機会になると考えています。また、親会社であるJFEホールディングスで資金調達業務も経験し、財務スキルの幅も広げたいとも思っています。
サッカーはプレーすることも見ることも好きで、上手くはありませんが、仲間と体を動かすことでリフレッシュしています。経理は良くも悪くも忙しさに波があるので、忙しくないときにしっかりリセットすることが大事です。コロナ禍前は、国内外問わず、よく旅行をしていました。また、旅を楽しめるような状況が早く来て欲しいと思っています。