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用途 Application


高強度機械部品用 ーJIPクリーンミックス®ー

JIPクリーンミックス®は、偏析防止を目的としたプレミックス粉です。
通常は、鉄粉に黒鉛粉のほかNi,Cu,Moなどの金属粉が単純に混合されますが、JIPクリーンミックス®は、
鉄粉に黒鉛などの添加物の粉末を特殊な処理により付着させてありますので、以下に示す特長を有しています。

特 長

  • 添加物の偏析が少ないため、焼結部品の寸法変化のばらつきが少ないです。
    その為、寸法精度の向上し、焼結体の強度ばらつきも少なくなります。
    結果、輸送および搬送時において、発塵が非常に少なく作業環境の改善がはかれます。
  • 優れた流動性で焼結部品の生産性を向上させます。

「JIPクリーンミックス®」は焼結体特性のばらつきが少なく、生産性の向上と作業環境改善に寄与します。

技術データ

カーボン付着量
カーボン付着量
発塵量
発塵量
ホッパーからの払出し時のバラツキ
ホッパーからの払出し時のバラツキ
寸法変化
寸法変化
流動度
流動度
圧粉密度
圧粉密度
引張強さ
引張強さ
抜出力
抜出力
硬さ
硬さ
ラトラー値
ラトラー値
衝撃値
衝撃値
見掛密度
見掛密度

JIPクリーンミックス®シリーズ

切削性改善クリーンミックス® JFMシリーズ カタログダウンロード

焼結部分の切削性を改善する快削性焼結材用鉄粉です。
切削時に工具に伝わる断続衝撃の抑制と、切屑の微細化により、工具寿命の延長を可能とします。

クリーンミックスの種類
JFM3
ドリル加工性に非常に優れています。特殊添加剤によって空孔を充填し断続切削抑止を図り、
切屑チッピングも促進します。ドリル穿孔数は無添加材の6倍、MnS添加材の3倍以上です。
JFM4
200m/min以上の高速旋削性に優れています。特殊添加剤による切屑チッピング促進に加えて、
加工時の摩擦熱で軟化して工具表面に保護膜を形成します。
工具磨耗量は無添加材の4分の1以下、MnS添加材の3分の1以下です。
JFMX
JFM4の優れた高速旋削性を保持しながら、低速旋削性を改善し、
更にドリル加工性にも優れています。
特 長
  • 工具摩耗の抑制
    切屑の微細化を促進し、
    構成刃先の形成を防止(写真1)。
    →構成刃先の脱落に
    起因する工具摩耗を低減br(図1)。
  • 工具の欠け低減
    添加剤の潤滑効果により切削抵抗を
    低減し(図2)、工具先端の欠けを防止。
図1 ドリル外周摩耗量
焼結体の快削化原理
工具摩耗原理
工具摩耗原理
工具摩耗抑制機構(開発材)
工具摩耗抑制機構(開発材)
技術データ
JFM3
JFM3
JFM4
JFM4
JFMX
JFMX
適用可能な自動車部品

各種プーリー、ショックアブソーバー

適用可能な自動車部品

高流動性クリーンミックス® JWAXBカタログダウンロード

成形体密度のバラツキが小さい偏析防止処理鉄粉です。
流動性、金型への充填性が大幅に向上しましたので、成形品各部における密度分布が均一になり、部品の品質向上、
量産製造時の歩留まり向上に貢献します。

クリーンミックス®の設計
クリーンミックス®の設計
図 充填性評価用円筒型キャビティー
図 充填性評価用円筒型キャビティー
特 長
  • 流動性、充填性に優れ、成形体間の重量バラツキ、キャビティー内の密度バラツキを低減。
  • 薄肉キャビティーにも短時間で充填可能。
  • 粉体特性(見掛密度、流動性)は、従来材と同等。
  • 焼結体特性(寸法変化率、強度)は、従来材と同等。
充填率比較
適用可能な自動車部品

各種プーリー、コンロッド、シンクロハブ

適用可能な自動車部品

高強度部品用合金鋼粉 JIP 21SXカタログダウンロード

焼結だけで高強度、高硬度が得られ、熱処理が省略可能です。
高焼入れ性と高密度(高圧縮性、高焼結性)を両立した合金鋼粉により、
焼結後の冷却だけで高強度・高硬度の特性を実現し、
浸炭焼入れなどの熱処理工程の省略が可能となるため、焼結部品の製造コスト低減に貢献します。

特 長
  • 焼結後の冷却だけで熱処理材並の高強度、高硬度
  • 汎用の焼結炉でハイパフォーマンス
    ・高温焼結炉、特別な急冷設備不要
    ・エンドサーミックガス(プロパン変成ガス〈N2-32 H2-24 CO-0.3 CO2〉)で焼結可能
  • 要求特性に応じた合金設計が可能
JIP 21SXの模式図
JIP 21SXの模式図
焼結体特性(従来材比較)
適用可能な自動車部品

シンクロハブ (スターターギア等)

適用可能な自動車部品

低抜出力クリーンミックス® LXカタログダウンロード

金型から低荷重で成形品の抜き出しが可能な偏析防止処理鉄粉です。
特殊潤滑剤が、金型および成形品を保護します。
抜出力を大幅に低減することで、大型複雑形状の部品や長尺物の成形が可能になります。

クリーンミックスの設計
クリーンミックスの設計
特 徴
  • 優れた流動性と金型充填性
    従来粉(ステアリン酸亜鉛混合粉)と比較して、見掛密度は同等、流動性に優れる(表1)。
      →金型への充填時間の短縮が可能。
      →複雑形状の金型への均一充填を実現。
  • 低い抜出力
    従来材に比べ、成形時の抜出性を改善(図1)。
      →型抜き時の成形体割れの低減に有効。
      →金型寿命延長に寄与。
見掛密度と流動度・圧粉密度と抜出力
適用可能な自動車部品

各種プーリー、シンクロハブ

適用可能な自動車部品

ハイブリッドMo鋼粉 JIP AH4515カタログダウンロード

空孔微細化により高疲労強度焼結部品を実現する合金鋼粉です。
高温焼結を施さなくても高い面圧疲労強度を実現し、高面圧疲労強度が必要な部品の製造コスト低減に貢献します。

独自の合金配合
  • JIP AH4515:
    Fe-0.45%Moプレアロイ粉の表面にMo高濃度部を点在させた合金鋼粉(トータルMo量:0.6%)
    →Mo高濃度部(α相)による焼結促進・気孔微細化

      平成19年度 日本金属学会 技術開発賞
      平成19年度 日本粉末冶金工業会賞(原料賞)
      平成20年度 粉体粉末冶金協会 技術進歩賞
ハイブリッド Mo 鉄粉断面の Mo 濃度分布
ハイブリッドMo鋼粉断面のMo濃度分布
特 長
  • 優れた焼結性
    低温・短時間焼結条件(温度20℃低下、時間50%低減)でも、従来材(0.6%Moプレアロイ)より気孔が微細化
  • 高疲労強度
    低温・短時間焼結条件でも、従来材と同等以上の疲労強度を実現
    (温度20℃低下、
    時間50%低減⇒焼結コスト50%低減)
焼結・熱処理の回転曲げ疲労強度
焼結・熱処理の回転曲げ疲労強度
適用可能な自動車部品

エンジンスプロケット

適用可能な自動車部品

高圧縮性クリーンミックス® HDXカタログダウンロード

鉄粉の加熱なしで高密度成形が可能な常温高密度成形用鉄粉です。
潤滑剤の潤滑性能の向上により、潤滑剤添加量を低減し、高密度化を実現します。
脱ロウ性も良好で、焼結体表面の汚れを解消します。

クリーンミックスの設計
潤滑剤添加量と圧粉体密度の関係
特 長
  • 粉末の加熱なしに温間成形と同等の高密度を実現
    粉末の加熱なしに温間成形用偏析防止粉(弊社品 130℃成形)と同等の圧粉体密度を達成(図2)。
  • 成形負荷の低減が可能
    標準混合粉(0.8%ステアリン酸混合粉)に比べ、低荷重で同等の圧粉体密度を実現(図2)。
     →成形荷重低減による金型寿命延長が可能。
     →小型成形機で大型部品の成形が可能。
  • 粉体特性(見掛密度、流動性)は、従来材と同等。
  • 脱ロウ性が良好
    焼結部品の表面汚れを解消。
成形圧力と圧粉体密度の関係
適用可能な自動車部品

各種プーリー、シンクロハブ

適用可能な自動車部品

充填安定クリーンミックス® ZEROカタログダウンロード

部品重量・寸法安定性に優れたクリーンミックス®ZERO。
粉末の充填性を高めることで、焼結部品の重量や寸法安定性を向上させることができる商品です。

特 長
  • プレス停止、再開後の不連続な重量変動が従来の半分程度に低減でき、
    成形時の歩留まりを向上させることができます。
  • 成形時の条件設定が容易になり、試し成形の回数を減らすことが可能になります。
  • 従来よりも狭い空間への充填が容易になり、従来では困難であった難成形部品の製造が可能になります。
  • 金属石鹸を含んでいないため、焼結体表面に煤や染みが付着しません。
技術データ
JIPクリーンミックス®の技術データ
JIPクリーンミックス®ZEROの技術データ

その他

その他、クリーンミックス®シリーズには以下のような商品があります。

  • ステアリン酸Zn系  黒鉛の偏析が無く部品の寸法や強度等が安定。
  • ワックス系     焼結炉にZnの付着が少く炉内清掃の削減可能。
  • Cu偏析防止     黒鉛に加えCuの偏析も無く、部品寸法精度に優れる。
  • 寸法安定化     還元鉄粉にCu偏析防止を組合わせ、寸法精度に優れる。