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JFEスチール 株式会社

経済産業省「新グローバルニッチトップ企業100選」に認定

当社はこのたび、経済産業省より「新グローバルニッチトップ企業100選」に認定されました。

日本企業を取り巻く事業環境は変化してきています。具体的には、デジタル経済の進展、世界の政治経済情勢の変動、および少子高齢化のような社会構造変化などが起きています。経済産業省認定「新グローバルニッチトップ企業100選」は、このような新たな厳しい経済環境の中においてもニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する企業を認定するものです。

当社の認定理由は、超大型コンテナ船の鋼材市場における、極厚・高強度部材というニッチ分野に対し、世界に先駆けて船体の脆性破壊を抑止する極厚高アレスト鋼板(※1)「ARRESTEX」を投入することで、本ニッチ分野おいて、極めて高い市場シェアを獲得・維持していることが評価されたものです。

コンテナ船は、コンテナを数多く積載するため、デッキ上部に大きな開口部を有する特徴的な構造の船です。海上を航行する際、船体に大きな波の荷重を受けるため、デッキ上部やハッチコーミングと呼ばれる船体側面には、極厚かつ高強度の鋼材を使用する必要があります。近年、輸送効率の向上を目的に、コンテナの積載量が20,000個を超える超大型コンテナ船が登場しており、それに合わせて鋼板は板厚が50mmから100mmまで拡大し、降伏強度で460MPa級までの高強度化が求められるようになり、極厚・高強度・高安全性という新たなニッチ市場が形成されました。

一方、鋼材の板厚が厚くなるほど、船体の安全性を脅かす脆性き裂の進展を停止するために必要なアレスト性能が、より高くなります。国際船級協会連合(※2)は、急速に大型化する船体の安全性確保のため、構造上の安全確保とともに、ハッチコーミングに使用される極厚鋼板に対してアレスト性能確保を義務付けました。

これに対し当社は、加熱温度や圧延温度を精緻に制御するTMCP技術(※3)を活用し、鋼板の板厚中央部にき裂の伝播に抵抗する向きの結晶比率を高める独自の技術を確立し、世界最高厚となる100mmの極厚高強度鋼板においても、高アレスト性能の確保が可能な鋼材「ARRESTEX」を世界に先駆けて開発し、本ニッチ市場において極めて高い市場シェアを獲得・維持しております。

当社は、当該技術によるコンテナ船の大型化と輸送効率の向上を通じて、地球環境保全に貢献していきます。今後とも、高機能・高品位な鋼材を供給することで、船舶のさらなる経済性、安全性および信頼性向上に努め、多様化するお客様のニーズに応えていきます。

(※1)高アレスト鋼板:溶接部に万が一発生した脆性き裂の伝播を止め、船体の損傷被害を最小限にとどめる性能に優れた鋼板。

(※2)国際船級協会連合:船舶の検査機関である船級協会の集まりで、1968年に創設された。日本海事協会を含む、世界の主要12船級協会で構成されている。

(※3)TMCP技術:Thermo-mechanical Control Process(熱加工制御)のこと。制御圧延、加速冷却を駆使して、オンライン製造で鋼材の強度や靭性を向上させる技術。

 

【写真】「ARRESTEX」が採用された世界初の積載コンテナ数20,000個超えの超大型コンテナ船
(株式会社商船三井提供)

 

「ARRESTEX」が採用された世界初の積載コンテナ数20,000個超えの超大型コンテナ船(株式会社商船三井提供)
 

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本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL03(3597)3166

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