Q&A
- Q9鋼管の強度って?
- A9-3低温における強度
一般に鋼は0℃以下の温度にさらされると強度は高くなるが反面脆くなる傾向にあります。低温を利用する工業の例について表に示しました。
表 低温を利用する工業の例 | |
種別 | 温度 ℃ |
---|---|
石油精製におけるプロパン脱蝋 | 竏驤40 |
血液の冷凍乾燥 | 竏驤40 |
ペニシリンの冷凍乾燥 | -40~-90 |
塩素の液化 | 竏驤55 |
石油精製における亜鉛酸ガスの脱蝋 | 竏驤60 |
亜酸化窒素の精製 | 竏驤90 |
工具鋼のサプゼロ処理 | 竏驤90 |
人造ゴムの製造 | 竏驤100 |
天然ガスの液化 | 竏驤100 |
コークス炉ガスからのエチレンの分離 | 竏驤190 |
液体空気その他の製造 | 竏驤190 |
天然ガスよりのヘリウムの抽出 | 竏驤200 |
低温域での材料の脆性を調べるためには一般に衝撃試験が用いられます。その結果は図 1のような曲線を描きます。

図1 衝撃試験による遷移曲線
即ち温度を次第に低くしていきます。吸収エネルギーが急に低下する範囲があります。この範囲の温度をエネルギー遷移温度といい、この温度より高い領域では材料は強靭であり、低い領域では、脆いことになります。
低温において使用する材料の JIS規格については先に述べましたが、JIS規格にある材料の他にASTMに含まれている材料を含め、
一般的に低温で使用される材料とその使用温度範囲および常圧での各液化ガスの沸点の図を図2に示しました。
![各種液化ガスの沸点0℃ 0.1MPa[0℃(1気圧)]と低温材料](img/g_09_3b.gif)
図2 各種液化ガスの沸点0℃ 0.1MPa[0℃(1気圧)]と低温材料
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