ニュースリリース
JFEスチール株式会社
地すべり抑止杭用ねじ継手『JFE ネジール®』の適用範囲を大幅拡大
当社はこのたび、地すべり抑止杭用ねじ継手『JFE ネジール®』(※1)をリニューアルし、適用可能な杭径・板厚を大幅に拡大しました。
『JFE ネジール』は、地すべり抑止杭の現場接合用のねじ継手です。一般に地すべり抑止杭では、厚肉・高強度杭が適用されることが多く、これらを溶接接合により縦継ぎ作業した場合、①大径・厚肉杭になるほど溶接時間が長くなる、②高強度になるほど現場での品質管理が難しい、③雨天や強風時などの天候によっては溶接作業が困難となる、などの課題を有しています。また、建設業界では現場溶接工の不足が深刻化しています。
『JFE ネジール』はこれらの課題を解決するねじ継手として、開発以来多くの採用実績を積んでおり、現場での大幅な工期短縮、施工省力化、継手部の安定した品質確保に貢献してきました。
一方近年では、土砂災害が激甚化・頻発化しており、地すべり対策が大規模化してきていることや、用地制約により小中径の地すべり抑止杭を複数列打設できないことなどを理由として、地すべり抑止杭の更なる大径化、厚肉化のニーズが高まっています。そこで、大径・厚肉・高強度化する地すべり抑止杭のニーズに対応すべく、『JFE ネジール』の適用範囲(杭径、板厚)を大幅に拡大させ、リニューアルいたしました。
【最大適用範囲】
SM570相当杭 従来:φ1200 t32mm ⇒ 新:φ2000 t55mm
大径・厚肉の地すべり抑止杭への適用拡大により、例えばすべり面が深いために、必要となる地すべり抑止力が大きな場合にも『JFE ネジール』を採用できるようになるなど、これまで以上に活用の場が広がります。
リニューアルした『JFE ネジール』は、一般財団法人 砂防・地すべり技術センターの建設技術審査証明(※2)を取得しており、今後順次切り替えを行っていきます。
当社はこれからも、安心安全な街づくり、国土強靭化に資する製品の開発・販売を通して、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
【図1】JFEネジールの構造
【写真1】JFE ネジール付地すべり抑止杭の現場接合作業
【写真2】最大径φ2000のJFE ネジール付地すべり抑止杭の試験接合作業
【図2】地すべり抑止杭と『JFE ネジール』の製造可能範囲
(※1)『JFE ネジール』:
地すべり抑止杭用ねじ継手。あらかじめ工場で鋼管に溶接取り付けされて現場搬入される。現場での継杭作業は『JFEネジール』付杭を回転接合させ、上下杭のねじ突合せ部の隙間を確認するだけであり、継手1箇所あたり15分~30分程度で接合が完了する。また、非破壊検査も不要。
『JFEネジール』の材料には靱性・加工性に優れた当社独自の引張強さ780N/mm2鋼(JFE-HITEN780)を使用しており、適用する鋼管本体と同等以上の耐力を有する。
『JFE ネジール』を高強度鋼管杭(引張強さ570N/mm2以上のSM570相当)と併用することにより経済性に優れた設計も可能となる。
(※2)建設技術審査証明
依頼者の申請に基づき、第三者機関において学識経験者などが新技術の技術内容を審査するもの。『JFE ネジール』は一般財団法人 砂防・地すべり技術センターの建設技術審査証明事業(砂防技術)により厳正に審査され、2004年12月に技審証 第0402号を取得しており、今回は追加・内容変更項目に対し技術審査を受けた。
『ネジール®』は、JFEスチール株式会社の登録商標です。
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