Q&A
- Q2JIS鋼管の記号の意味は?
- A2
- JISの記号は英文字記号と数字から成立っています。ここで配管用、熱伝達用および構造用鋼管について説明すると表1のとおりになります。
規格名称 | 記号 | 記号の起源 |
---|---|---|
配管用炭素鋼鋼管 | SGP | STEEL GAS PIPE |
圧力配管用炭素鋼鋼管 | STPG+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE PIPING GENERAL |
高圧配管用炭素鋼鋼管 | STS+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE SPECIAL |
高温配管用炭素鋼鋼管 | STPT+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE PIPING HIGH TEMPERATURE |
配管用アーク溶接炭素鋼鋼管 | STPY+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE PIPING YOSETSU |
配管用合金鋼鋼管 | STPA+10代の数字(Mo鋼) STPA+20代の数字(Cr-Mo鋼) |
STEEL TUBE PIPING ALLOY |
配管用ステンレス鋼管 | SUS+数字+TP ただし、数字はステンレスの種類を表す記号番号 |
STEEL SPECIAL USE STAINLESS+数字+TUBE PIPING |
低温配管用鋼管 | STPL+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE PIPING LOW TEMPERATURE |
ボイラ熱交換器用 炭素鋼鋼管 |
STB+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE BOILER |
ボイラ熱交換器 合金鋼鋼管 |
STBA+10代の数字(Mo鋼) STBA+20代の数字(Cr-Mo鋼) |
STEEL TUBE BOILER ALLOY |
ボイラ熱交換器用ステンレス鋼管 | SUS+数字+TB ただし、数字はJIS圧延ステンレス鋼板および棒の記号番号 |
STEEL SPECIAL USE STAINLESS+数字+TUBE PIPING |
低温熱交換器用鋼管 | STBL+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE BOILER LOW TEMPERATURE |
加熱炉用鋼管 | STF+(炭)最低規定引張強さの数字 STF+(合)10代の数字(Mo鋼) STF+(合)20代の数字(Cr-Mo鋼) SUS+数字+TF(ス) ただし、数字はJIS圧延ステンレス鋼板および棒の記号番号 NCF+数字+TF(合) NCF+数字+HTF(合) 800のみ、開発時の番号 |
STEEL TUBE FURNACE |
一般構造用角形鋼管 | STKR+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE KOZO RECTANGLE |
一般構造用炭素鋼鋼管 | STK+最低規定引張強さの数字 | STEEL TUBE KOZO |
機械構造用炭素鋼鋼管 | STKM+10代の数字+A、B、C ただし、数字は整理番号、A、B、Cはそれぞれ仕上条件を示す |
STEEL TUBE KOZO MACHINE+数字+A、B、C |
構造用合金鋼鋼管 | STKS+数字+A、B、C、D、E ただし・、数字は整理番号、A、B、C、D、Eはそれぞれ熱処理条件を示す |
STEEL TUBE KOZO SPECIAL+ 数字+A、B、C、D、E |
最低引張強さというのはJIS規格のそれぞれの種類について、その材料の引張強さをN/mm²で示した場合の最低規格値のことです。
合金鋼鋼管、ステンレス鋼管、構造用炭素鋼鋼管、構造用合金鋼鋼管は番号でその材質を表すようになっています。
その番号と材質の対照表を表2、表3に示します。
表2 合金鋼鋼管、ステンレス鋼管の番号と材質の対照表
合金鋼鋼管 | ステンレス鋼管 | ||
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番号 | 材質 | 番号 | 材質 |
12 22 23 24 25 26 |
0.5%Mo鋼 1%Cr-0.5%Mo鋼 11/4%Cr-0.5%Mo鋼 21/4%Cr-1.0%Mo鋼 5%Cr-0.5%Mo鋼 9%Cr-1.0%Mo鋼 Cr量が多い程温度の高い所に使用される。 |
410 430 304 304H 304L 321 321H 316 316H 316L 309S 310S 347 347H |
13%Cr 18%Cr 18%Cr-8%Ni 18%Cr-8%Ni高温用 18%Cr-8%Ni低炭素 18%Cr-8%Ni-Ti 18%Cr-8%Ni-Ti高温用 18%Cr-12%Ni-Mo 18%Cr-12%Ni-Mo高温用 18%Cr-12%Ni-Mo低炭素 22%Cr-12%Ni 25%Cr-20%Ni 18%Cr-8%Ni-Nb 18%Cr-8%Ni-Nb高温用 |
表3 構造用炭素鋼管、構造用合金鋼管の番号と材質の対照表
炭素鋼鋼管 | 合金鋼鋼管 | |||
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番号 | 材質 | 番号 | 材質 | |
11A | C<0.12% | >290N/mm²(>30kgf/mm²) | 1A~E | 1%Cr-0.2%Mo鋼 |
12A | C<0.20% | >340N/mm²(>35kgf/mm²) | 2A~E | 0.5%Cr-0.2%Mo-0.5%Ni鋼 |
B | >390N/mm²(>40kgf/mm²) | 3A~E | 1%Cr-0.2%Mo鋼 | |
C | >470N/mm²(>48kgf/mm²) | 4A~E | 0.5%Cr-0.25%Mo-0.5%Ni鋼 | |
13A | C<0.25% | >370N/mm²(>38kgf/mm²) | 5A~B | 13%Cr鋼 |
B | >440N/mm²(>45kgf/mm²) | 6 | 18%Cr鋼 | |
C | >510N/mm²(>52kgf/mm²) | 7A~B | 18%Cr-8%Ni鋼 | |
14A | C<0.30% | >410N/mm²(>42kgf/mm²) | 8A~B | 18%Cr-12% Ni-Mo鋼 |
B | >500N/mm²(>51kgf/mm²) | 9A~B | 18%Cr-8% Ni-Ti鋼 | |
C | >550N/mm²(>56kgf/mm²) | 10A~B | 18%Cr-8% Ni-Nb鋼 | |
15A | C0.25~0.35% | >470N/mm²(>48kgf/mm²) | ||
C | >580N/mm²(>59kgf/mm²) | |||
16A | C0.35~0.45% | >510N/mm²(>52kgf/mm²) | ||
C | >620N/mm²(>63kgf/mm²) | |||
17A | C0.45~0.55% | >550N/mm²(>56kgf/mm²) | ||
C | >650N/mm²(>66kgf/mm²) | |||
18A | C<0.18% | >440N/mm²(>45kgf/mm²) | ||
B | >490N/mm²(>50kgf/mm²) | |||
C | >510N/mm²(>52kgf/mm²) | |||
注)A、B、C、D、Eは熱処理条件を示す。
なお種別番号と熱処理条件の組合せにより機械的性質が規定されているので注意を要する。
※おことわり
本資料は、一般的な情報の提供を目的とするもので、設計用のマニュアルではありません。本資料の情報は、必ずしも保証を意味するものではありませんので、本資料に掲載されている情報の誤った使用、または不適切な使用法等によって生じた損害につきましては、責任を負いかねます。また、内容は予告無しに変更されることがあります。