ニュースリリース
JFEスチール株式会社
「製鋼スラグの高速多量炭酸化による革新的CO2固定技術の研究開発」
~実用化に向けた試験の開始について~
当社はこのたび、国立大学法人愛媛大学と共同で推進している「製鋼スラグの高速多量炭酸化による革新的CO2固定技術の研究開発※1)」に関連する設備を建設し、実用化に向けた実証試験を開始しました。本実証試験を通じて、CO2固定に繋がる最適操業条件をはじめとした関連データを蓄積し、社会実装に向けた研究開発を加速させていきます。
鉄鋼生産の副産物として生成する高温状態の製鋼スラグにCO2を吹き込むことにより、製鋼スラグ中の酸化カルシウム成分に、短時間で多量のCO2が固定され、炭酸塩化すると共に、高温状態の製鋼スラグから熱を回収することでエネルギー効率を高め、プロセス全体でのCO2固定量及び削減量の最大化を図ります。
【図】製鋼スラグの高速多量炭酸化による革新的CO2固定技術フロー

- 試験実施地区:千葉地区
- 試験装置の構成:凝固装置、熱間破砕装置、炭酸塩化兼熱回収装置
- 溶融スラグの凝固、熱間破砕、炭酸塩化兼熱回収の各プロセスにおける最適操業条件
- 本プロセスでの熱回収量、CO2削減効果の測定
- 社会実装に向けた課題分析
【図】実証用試験設備の外観図

JFEグループは、2021年5月に「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、気候変動問題への対応を経営の最重要課題と位置付け、その解決に向けた取り組みを強力に推進しています。今後も、さまざまな超革新技術の開発を複線的に推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1)本研究はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した委託事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発」内のテーマ「製鋼スラグの高速多量炭酸化による革新的CO2固定技術の研究開発」にて実施しております。
【関連URL】
カーボンニュートラルの実現に向けたCO2有効利用技術の実用化試験について
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2022/06/220620-2.html
石炭由来のCO2を利用して有価物を製造する新プロセスがNEDO委託事業に採択
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2021/10/211015.html

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