PC版

MENU

ニュースリリース

  • twitter


JFEスチール株式会社

石炭由来のCO2を利用して有価物を製造する新プロセスがNEDO委託事業に採択

このたび、当社が提案した石炭利用産業から排出されるCO2を利用して有価物を製造する新プロセスの研究開発2件が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した委託事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発」に採択されました。公益財団法人地球環境産業技術研究機構(以下、「RITE」)ならびに国立大学法人愛媛大学(以下、「愛媛大学」)のそれぞれと、共同で研究開発を推進します。

製鉄プロセスでは、高炉ガス等の可燃性ガスやスラグをはじめとする副産物が生成されます。本研究開発では、これらの副産物の有効利用等を通じて、CO2排出の大幅な削減を目指します。

当社は、気候変動対応を経営の最重要課題と位置付けており、2050年のカーボンニュートラルを目指しています。今後とも、様々な超革新的技術の開発を複線的に推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

【研究開発①:「CO2を用いたメタノール合成における最適システム開発」】

1.技術開発分野
化学品へのCO2利用技術開発

2.提案事業者
JFEスチール株式会社、RITE

3.事業期間
2021年度~2025年度

4.概要
製鉄所等の排ガスに含まれるCO2から基礎化学品であるメタノールを合成するCO2有効利用プロセスを開発します。製鉄所の高炉ガスはCO2濃度が比較的高く、副次成分としてCOやH2を含むという特徴があり、これらを最大限利用することで、メタノール合成の低コスト化・高効率化を図ります。本開発では、圧力スイング吸着法(PSA)(※1)による低コスト型CO2分離、およびCO2から高効率なメタノール合成が可能なH2O膜分離型反応器(※2)の技術開発を進めるとともに、前処理設備やメタノール合成時の反応生成水のリサイクルも含めた最適な全体システムの構築を目指します。

(※1)圧力スイング吸着法(PSA)
Pressure Swing Adsorptionの略。粘土鉱物の一種であるゼオライトや活性炭をはじめとする吸着剤について、ガス吸着量が圧力によって変化する現象を利用してガス分離を行う方法。分離するガス種に応じて吸着剤および圧力などが選定される。

(※2) H2O膜分離型反応器
H2O選択透過性を有する特定のゼオライト膜(RITE開発)により、CO2からのメタノール合成時に生じる反応生成水を分離除去しながらメタノール合成を行うことで、高い反応効率が得られる新方式のメタノール合成反応器。当社とRITEにて共同開発中。

 
【研究開発①:「CO2を用いたメタノール合成における最適システム開発」】
 

5.研究開発項目
(1)低コスト型CO2分離PSA開発(JFEスチール)
(2)高効率メタノール合成反応器開発(H2O膜分離型反応器)(JFEスチール)
(3)実用的脱水膜開発(RITE)
(4)メタノール合成システム最適化(JFEスチール)

 

【研究開発②:「製鋼スラグの高速多量炭酸化による革新的CO2固定技術の研究開発」】

1.技術開発分野
コンクリート、セメント、炭酸塩、炭素、炭化物等へのCO2利用技術開発

2.提案事業者
JFEスチール株式会社

3.共同実施先
愛媛大学

4.事業期間
2021年度~2025年度

5.概要
鉄鋼生産の副産物として生成する高温状態の製鋼スラグに、石炭利用産業から排出されるCO2を吹き込むことにより、製鋼スラグ中の酸化カルシウム成分に、短時間で多量にCO2を固定して炭酸塩化する(※3)革新的な技術を開発します。同時に、CO2固定化後のガスの熱を回収することでエネルギー効率を高め、プロセス全体でのCO2固定量および削減量の最大化を図ります。また、炭酸塩化した製鋼スラグは、需要が大きな道路用鉄鋼スラグとしての利用を図ります。

(※3)炭酸塩
炭酸イオン(CO32-)を含むイオン性結晶物質の総称。CO2と酸化カルシウム(CaO)との化合物である炭酸カルシウム(CaCO3)は代表的な炭酸塩であり、石灰石の主たる成分。

 
【研究開発②:「製鋼スラグの高速多量炭酸化による革新的CO2固定技術の研究開発」】
 

6.研究開発項目
(1)製鋼スラグの高速多量炭酸化技術の開発(JFEスチール)
(2)スラグ炭酸化メカニズムの解明(JFEスチール/愛媛大学)
(3)熱回収技術の開発(JFEスチール)
(4)溶融製鋼スラグの凝固・熱間破砕技術の開発(JFEスチール)
(5)熱間破砕・炭酸化スラグの道路用鉄鋼スラグとしての評価(JFEスチール)

 
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166

ニュースリリース一覧へ戻る