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JFEスチール株式会社

「製鉄所における燃料・電力運用ガイダンスシステムの開発」が
2022年度日本エネルギー学会・学会賞(技術部門)を受賞

当社はこのたび「製鉄所における燃料・電力運用ガイダンスシステムの開発」の成果が認められ、一般社団法人日本エネルギー学会(会長:齋藤 公児)から2022年度日本エネルギー学会・学会賞(技術部門)を受賞しました。表彰式が2月28日に学士会館(東京・千代田区)で行われました。

日本エネルギー学会・学会賞(技術部門)は、エネルギーに関する技術分野において総合的な技術開発を行い、工業上特に顕著な成果を挙げた個人あるいは団体に授与されるものです。当社の日本エネルギー学会・学会賞(技術部門)の受賞は2回目となります。

 

1.受賞件名
「製鉄所における燃料・電力運用ガイダンスシステムの開発」

 

2.受賞者
JFEスチール株式会社

 

3.受賞概要
製鉄プロセスは多くのエネルギーを必要とすることから、省エネルギー・CO2削減やコスト競争力向上の観点で、使用する燃料・蒸気・電力の運用を最適化することが重要な課題となっています。 従来は、オペレータが、需給状況、発電設備の稼働状況、電力・ガス会社との契約情報などのデータに基づき、コストやエネルギー損失が極力少なくなるように、各プロセスへの副生ガス配分、燃料(重油・都市ガスなど)購入量、電力購入量、副生ガス貯蔵量などの様々な要素を決定していましたが、エネルギー需給変動の正確な予測が難しいなどの課題を抱えていました。

今回開発したガイダンスシステム (図1)では、CPS(*)の概念に基づき、リアルタイムに得られる膨大な測定データ(①)および各工場の詳細な生産計画を使用し、予測対象の物理的現象をモデル化して需給予測計算を行うことにより、現時点から将来にわたる需給状況を高精度に予測します(②)。そして、各種の製鉄所内発電設備等の操業制約、特性、契約情報を考慮した上で(③)、外部からの購入量が最小となる最適な運用条件を燃料・電力シミュレーションで求め(④)、その結果をオペレータにガイダンスするものです(⑤)。

本ガイダンスにより、リアルタイムの測定データと生産計画を用いて、高精度な燃料・蒸気・電力需給予測に基づいた副生ガス貯蔵・払出の適切な需給調整が可能となりました。従来のオペレータの経験や能力に基づく運用に対して、さらに効率的な運用ができるようになり、省エネルギー・CO2削減および燃料・電力コストの低減を実現しました。

当社は、「JFE Digital Transformation Center」(『JDXC®』)を開設し、製造プロセスのCPS化を進めるなど、DXを積極的に推進することで、革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指しています。今後とも、製造現場におけるあらゆる分野の課題を、DXを通じて解決していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(*)サイバーフィジカルシステム(CPS) フィジカル空間の莫大なセンサー情報(ビッグデータ)をサイバー空間に集約し、これを各種手法で解析した結果をフィジカル空間にリアルタイムにフィードバックすることで価値を創出するシステム。

 

【写真】表彰式にて

【写真】表彰式にて

(左より)
専門主監(環境防災・エネルギー) 藤井良基
サイバーフィジカルシステム研究開発部主任研究員 鈴木勝也
エネルギー技術部部長 山本友義

 

【図1】ガイダンスシステムの概要

【図1】ガイダンスシステムの概要
 

【関連URL】

2020年度省エネ大賞 省エネ事例部門「省エネルギーセンター会長賞」を受賞
~データサイエンスを活用したエネルギー需給ガイダンスの開発~

製鉄所における燃料・電力運用ガイダンスシステムの導入について
~サイバーフィジカルシステムに基づく運用最適化による省エネルギー実現~

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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