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JFEスチール株式会社

鋼構造物の耐疲労性能向上に貢献する新たな溶接施工法「FLExB®溶接」を開発

当社はこのたび、橋梁などの鋼構造物の耐久性を高める新たな溶接施工法「FLExB®溶接」(※1)を開発しました。本溶接施工法は、本年5月に国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました(CB-230007-A)。

長期間にわたって使用される鋼構造物は、老朽化に伴うメンテナンスコストや更新コストの低減が求められています。特に橋梁は自動車等の交通荷重が繰返し作用するため、溶接部に疲労き裂が発生するリスクがありました(図1)。今回、新しく開発したFLExB®溶接は、ガセットプレート(補強用鋼板)と呼ばれる接合部材の短辺側を先に溶接し、その短辺溶接部を挟み込むように長辺側を溶接します。さらに溶接ビードを延ばすことで疲労損傷を抑制できる技術です(図2)。これにより、溶接部の疲労き裂の起点になる箇所の応力レベルを軽減し、疲労き裂の発生を遅らせるとともに、疲労き裂の進展を抑えることで、疲労損傷への耐久性を高めることを実現しました。FLExB®溶接による耐久性向上の効果により、従来よりもJSSC(※2)の疲労等級(※3)が1等級向上しました(図3)。

従来の溶接施工法より作業を単純化できることに加え、溶接施工後に疲労強度向上を目的として実施していた表面処理などの作業工程を省略でき、施工能率の向上にも寄与します。疲労損傷への耐久性を高めた当社の厚鋼板であるAFD®鋼(※4)とFLExB®溶接を併用することで、さらに耐疲労性能が向上します。

当社は今後とも、橋梁・船舶・建設機械・産業機械等の鋼構造物の耐久性、安全性、経済性の向上に寄与する高機能鋼材の開発と新たな溶接施工法の確立により、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

※1 FLExB®: Fatigue Life Extended Beadの略。疲労損傷への耐久性を高めた溶接施工法。

※2 JSSC: Japanese Society of Steel Construction(一般社団法人日本鋼構造協会)の略。

※3 疲労等級: 疲労損傷に対する耐久性を、高い方からアルファベット順に示すもの。

※4 AFD®: Anti-Fatigue-Damageの略。疲労損傷への耐久性を高めた鋼板。

 

【関連URL】

2023年3月30日プレスリリース 「橋梁の安全性向上に貢献する鋼構造物用の薄物耐疲労鋼を開発」

 

【図1】 橋梁の疲労き裂発生箇所とFLExB®溶接の好適用部位の例

【図1】 橋梁の疲労き裂発生箇所とFLExB®溶接の好適用部位の例
 

【図2】 FLExB®溶接

【図2】 FLExB®溶接
 

【図3】 FLExB®溶接継手の負荷応力と繰り返し数の関係(SN線図)

【図3】 FLExB®溶接継手の負荷応力と繰り返し数の関係(SN線図)

(当社調べ)

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3845

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