ニュースリリース
JFEスチール株式会社
JFEシビル株式会社
耐震・制振デバイスの高軸力タイプを新発売
~『ハーフ十字ブレースダンパー™』の軸力材にHBL®385を適用可能~
このたび、JFEスチール株式会社(以下、「JFEスチール」)およびJFEシビル株式会社(以下、「JFEシビル」)は、建物の揺れを効率的に低減できる耐震・制振デバイスである座屈拘束ブレース『ハーフ十字ブレースダンパー™』について、国内最大級の高軸力タイプを開発しました。この製品は、軸力材に高強度鋼を適用し、従来の製品に比べ約2倍の軸力を発揮することができます。 既に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(*1)を改定しており、高層から超高層建築物への適用を中心に販売を開始しました。なお、本製品の製造・販売はJFEシビルが行います。
座屈拘束ブレースは柱や梁から伝わる力を負担する軸力材と、圧縮時に軸力材の座屈防止のための補剛管で構成されており、地震によって建物に生じる力をブレースに吸収させ、建物全体の揺れを低減することができます。中でも、『ハーフ十字ブレースダンパー™』は、十字形断面の軸力材と溶接4面BOXの補剛材が鋼板で組み立てられるため、設計軸力に応じ最適な断面を選定できる特徴があります。 これまで、JFEシビルでは、『ハーフ十字ブレースダンパー™』の軸力材には、建築構造用低降伏点鋼材(JFE-LY100、JFE-LY225)および建築構造用圧延鋼材(SN400、SN490)を使用したラインナップを展開してきましたが、国内の地震は想定を超えるものが日増しに発生しており、高層化していく建築物に求められる耐震性能は、より高度化しています。 そこで、今回従来のラインナップに加えて、より強度の高いJFEスチールの建築構造用550N/mm2TMCP鋼材(HBL®385)を新たに軸力材に適用しました。板厚の適用範囲は最大70mmであり、降伏軸力が約15,000kN級の高軸力ブレースを実現可能にしました。 HBL®385を適用した『ハーフ十字ブレースダンパー™』について、JFEスチールとJFEシビルが共同で実施した各種構造実験によって、一般財団法人日本建築総合試験所から構造安全性と設計法が適切であることが認められたため、建築技術性能証明を改定しました。 JFEスチールとJFEシビルは、今後もお客様の安心・安全を支える鉄鋼商品、ならびに利用技術の開発と普及に努めてまいります。
(*1)一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明 新しく開発された建築技術の性能を第三者の立場から審査し、その技術が保有する性能について、「性能証明書」を発行するもの。新規性・独自性のある建築技術を対象としており、建築主事等が行う判断の技術的根拠として用いられる。今回の性能証明番号は「GBRC 性能証明 第09-08号 改1」。
【図】『ハーフ十字ブレースダンパー™』
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