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JFEスチール株式会社

建築構造用熱間成形継目無角形鋼管「カクホット®」が
重要文化財 旧西尾家住宅修理工事で採用

このたび、建築構造用途で使用される当社の熱間成形継目無角形鋼管「カクホット®BSH325」(以下、「カクホット®」)が、「重文 旧西尾家住宅主屋ほか6棟建造物保存修理工事」に採用されました。

 

旧西尾家住宅は大阪府吹田市に所在する明治から大正時代にかけて建てられた大型近代和風建築の住宅です。約60メートル四方の敷地に主屋、土蔵、離れなどが建ち並び、国の重要文化財に指定されています。しかし、近年、建物の老朽化や、地震や台風による損傷が目立つようになり、耐震診断を実施した結果、大地震時には敷地内の多くの建物で倒壊の恐れがあることがわかりました。そのため、2020年度から各建物で耐震補強を含む大規模な修理工事が行われています。このうち、主屋と米蔵の主たる補強方法として鉄骨による耐震補強が採用され、その鉄骨柱に「カクホット®」が使用されています。

 

「カクホット®」は、熱間シームレス成形により製造される国内唯一の継目無角形鋼管で、国土交通大臣の認定(※1)を取得した製品です。小径・厚肉の角形断面を特徴としており、柱材として使用した場合、柱部分を省スペース化し空間を有効に利用できます。また、鋼管側面に継目が無いことから意匠材として優れています。「重文 旧西尾家住宅主屋ほか6棟建造物保存修理工事」では、柱径が小さい角形鋼管柱として、外径150mmの「カクホット®」が主屋内の仏間と、米蔵の2箇所で使用されています。これにより、伝統的な和風建築の美観への影響をおさえながら、建物の耐震補強が可能になりました。

 

また、こうした文化財における「カクホット®」の使用は過去にもあり、2024年8月にプレスリリースいたしました「世界遺産 元離宮二条城の本丸御殿保存修理工事」では、小径・厚肉で柱径を可能な限り小さくできることが評価され、補強材として「カクホット®」が使用されています。

 

当社は今後ともお客様のニーズに幅広くお応えできる付加価値の高い建築建材商品の開発を通して、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

※1:建築基準法に基づく国土交通大臣認定。建築基準法第37条で指定された材料と異なる材料の使用については、大臣認定の取得が必要。認定番号は「MSTL-0438」。

 

【工事概要】

工事名 重文 旧西尾家住宅主屋ほか6棟建造物保存修理工事(Ⅰ期工事)
工事対象 主屋、米蔵、納屋(米蔵北)、納屋(北東)及び外塀(旧蔵納屋外壁)
所在地 大阪府吹田市内本町2丁目15番11号
所有者 国(管理団体:吹田市)
工期 2022 年7月~2027年3月(予定)
 
【写真1】旧西尾家住宅 全景(吹田市教育委員会事務局 提供)
【写真1】旧西尾家住宅 全景(吹田市教育委員会文化財保護課 提供)
 
【写真2】「カクホット®」による耐震補強
【写真2】「カクホット」による耐震補強
 
【カクホット®概要】
【表1】カクホット®の製造サイズ表
寸法
(mm)
板厚(mm)
13 16 19 22 25 30 33
150×150
200×200
250×250
300×300
 
【表2】カクホット®の機械的性質に関する製品規格概要
種類の
記号
引張試験 シャルピー
吸収エネルギー
厚さ(mm) 降伏点または0.2%耐力(N/mm2) 引張強さ(N/mm2) 降伏比(%) 試験片 伸び(%) 試験
温度(℃)
吸収
エネルギー(J)
BSH325 13≦t≦25 325~445 490~610 ≦80 5号 33≦ 0 70≦
25<t≦33 1A号 21≦
備考 1)試験片は平板部より採取するものとする。
2)シャルピー衝撃試験片はJIS Z 2242 Vノッチ、長さ方向とする。
 
ねがう未来に、鉄で応える。
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール株式会社 総務部広報室 TEL 03(3597)3845

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