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JFEスチール株式会社

配管点検ロボット無線式「Scan-WALKER®」を開発
~点検範囲拡大と作業負荷低減を実現~

当社はこのたび、鋼製配管上を吸着走行しながら減肉点検を行う、走行を妨げるケーブル類を不要とした点検ロボットである無線式「Scan-WALKER®」(以下、無線式)を開発しました。本ロボットは既存の配管点検ロボット有線式「Scan-WALKER®」(以下、有線式)を改良したものであり、今回製鉄所内の点検作業に試験導入し、遠隔操作による点検範囲拡大と高所作業負荷低減を実現しました。

 

当社では、労働生産性の向上と現場作業の安全性の向上を目指し、複雑な作業や危険な作業の自動化および遠隔化をDX・ロボティクス技術の導入によって推進しています。製鉄所では、製造工程で使用するガス等を輸送するため、長距離にわたり配管を高架上に敷設していますが、配管に腐食減肉が生じると内容物が漏洩するため、減肉の点検やメンテナンスを定期的に実施しています。

 

これまで点検作業では、作業者が仮設足場の上で超音波板厚計、または有線式を使っていましたが、点検範囲が限られ、高所の狭い空間での作業に伴う安全性の確保が課題となっていました。新たに開発した無線式(図1)では、小型かつ低消費電力で点検が可能な永久磁石を使用した磁化渦流センサ(※1)を採用しました。また、ロボットの機体はリンク機構(※2)を用いており、配管径に倣い、4輪の永久磁石を内蔵したクローラーにより鋼製配管面に吸着しながら周方向および軸方向を移動できる新規設計を行うことで、作業者はロボットが走行している配管上の位置とその減肉の有無をリアルタイムで生成される点検カラーマップで確認することができます。

 

今回、各製鉄所内において、本ロボットを用いて地上からの遠隔操作による検証試験を実施し(図2)、局所的な減肉の発見に成功しました。今後は実運用を進め、配管以外の構造物にも展開することで、さらなる鋼構造物の健全性確保と作業負荷低減を進めていきます。

 

当社は、DX・ロボティクス技術を積極的に推進することで、革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指しています。また、今後とも、製造現場におけるあらゆる分野の課題を、DX・ロボティクスを通じて解決していくことで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

※1 点検する対象面に電圧を加えることで、その反応から局所的な肉厚変化を検出するセンサ。

※2 複数のリンク(部材)とジョイント(関節)で構成された機械的な構造

 

【図1】無線の配管点検ロボット

無線の配管点検ロボット
 

【図2】高架配管点検試験の例

高架配管点検試験の例
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール株式会社 総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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