ニュースリリース
JFEスチール株式会社
溶接技術開発センター(JWI-ArC®)をリニューアル
~新エネルギー、インフラ用鋼材の溶接技術開発を加速~
このたび、当社はスチール研究所の千葉地区(千葉市)に保有する『溶接技術開発センター(JWI-ArC®)』 (以下、『JWI-ArC』) (※1)をリニューアルしました。『JWI-ArC』は、自動車用の薄鋼板から船舶・建築用の厚鋼板まで、当社が取り扱うほぼ全ての鉄鋼製品の溶接技術の開発に関し、溶接現象の基礎研究から実用化技術の構築までを一貫して実施する施設として、2019年に開設し、これまで飛躍的な研究効率の向上を可能としてきました。今回、急速に変化しつつある社会のニーズに対応するために、『JWI-ArC』を新エネルギー、インフラ用鋼材の溶接技術の拠点としてリニューアルし、お客様や研究機関との研究開発の共同プロジェクトを加速していきます。
カーボンニュートラルの実現に向けて、風力発電、太陽光発電などの新エネルギーから変換した水素の輸送・貯槽、従来の化石燃料による発電などからの二酸化炭素回収・貯留(CCS)(※2)を実現する社会基盤の整備は喫緊の課題です。これらを安全・安心かつ経済的に達成するために、さらなる高強度、厚肉、低温靭性、耐腐食性を兼ね備えた新たな鉄鋼製品の需要と共に、その性能を損なうことなく安価に施工可能な溶接技術が求められています。また、国内製造業では、首都圏の大型プロジェクトが続く建築分野や老朽更新が急務であるインフラ分野において、溶接技能者不足が深刻化しており、高能率かつ省人化が可能な溶接技術のニーズが高まっています。
これらのニーズに対し、当社がお客様と共に社会実装することを目指した取り組みとして、スチール研究所千葉地区に保有する『JWI-ArC』内に、新エネルギー貯槽、建築/インフラ分野向け溶接技術を集約した実験・展示施設を新たに設けました(写真1)。『JWI-ArC』には新たに、新エネルギー分野において、燃焼してもCO2を発生しないゼロエミッション燃料として期待される液化アンモニア向け貯槽や、建築・インフラ分野において急速にニーズが高まる省人化・能率向上に対応したJFE独自溶接技術を実施する実験設備を配備しました。併せて、技術概要を視覚的にご紹介する展示スペースや、現物の前で議論が可能な打合せスペースを設け、実験室という枠を超え、お客様や研究機関との共同研究やプロジェクトを創出するイノベーションの場として活用していきます。今後は、このような場を通じて生み出された先進の溶接技術をお客様の製造現場にてご利用いただけるよう、ソリューションビジネスとして積極的に提供していきます。
当社は今後も、『JWI-ArC』を拠点として溶接技術についてお客様との連携を強化し、多様なニーズに対応することで、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
(※1)JWI-ArC:JFE Welding Institute - Advanced Welding and Joining Research Centerの略、JFEスチールの登録商標
JWI:溶接・破壊・疲労分野全体の研究開発拠点構想を差す造語
ArC:溶接技術開発センター。鉄鋼材料の溶接・接合技術を開発するための拠点という語意
(※2)CCS:Carbon Dioxide Capture and Storageの略。
【関連URL】
・ソリューションビジネスを紹介するウェブサイトを公開
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2024/01/240126.html
・鉄鋼分野で世界最大級の大型破壊・疲労評価センターを開設
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2019/02/190220.html

【右:スチール研究所 千葉地区(千葉市)】
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