ニュースリリース
JFEスチール株式会社
JFEスチール特許表彰について
当社は、2024年度のJFEスチール特許表彰の受賞特許を決定し、12月2日に表彰式を行いました。
JFEスチール特許表彰は、優れた特許の発明者を表彰することによって、より良い発明の創出を促進することを目的に、2018年4月に新たに制定した社内表彰制度であり、今回が第7回の表彰です。年1回、社内発明者から応募された登録特許の中から、特許として優れ(独創性・先駆性・独占性・排他性)、さらに事業への貢献度および社会的評価が高いと認められる特許を選出し、その特許の発明者を表彰します。また、各発明者には副賞金が授与されます。
<2024年度JFEスチール特許表彰>
(1)金賞:2件
【1件目】
案件名:1.5ギガパスカル級冷延鋼板
発明者:小野 義彦(元 スチール研究所薄板研究部、現 知的財産部薄板知財室)、船川 義正、山口 竜介、中村 展之
自動車車体を軽量化(燃費改善)し、且つ乗員を保護する観点から、自動車を構成する部品に強度の高い鋼板が使われるようになっています。本発明者らは、従来使用されていた1ギガパスカル級(980MPa級)の高強度鋼板に対して、ミクロ組織の均一性を各段に高めることで、降伏強度を2倍に高めることに加えて、曲げ加工性や耐水素脆化特性を実用可能なレベルにまで引き上げることに成功しました。その結果、同一部品強度を維持しながら部品重量の20%以上の軽量化を実現し、加熱を必要としない冷間でのプレス加工がお客様において可能となりました。また、2割少ない鋼材使用量で従来材と同等の性能が得られることから、本素材は素材製造から自動車走行にわたるライフサイクルでのCO2排出抑制効果が大きく、今後の採用拡大で大きな社会貢献が期待されます。
【2件目】
案件名:Si傾斜スーパーコア、JNRF®
発明者:財前 善彰(スチール研究所電磁鋼板研究部)、尾田 善彦、平谷 多津彦
地球温暖化防止の観点から、自動車や航空機等の分野では電動化が進展しており、モータの鉄心材料として使用される無方向性電磁鋼板においては、高磁束密度(高いトルク)と低鉄損(高い効率)を両立した材料が求められています。発明者らは研究を重ねた結果、CVDを用いた連続浸珪法(※)によって板厚方向にSiの濃度勾配を付与するとともに、化学成分と製造プロセスの最適化による結晶方位制御を行うことで、高磁束密度と低鉄損を高い次元で両立した電磁鋼板の商品化に成功しました。本発明品は、モータの高性能化を実現可能な電磁鋼板であり、お客様から高い評価を受けるとともに、カーボンニュートラル社会の実現に大きく貢献しています。
(※) 鋼帯の焼鈍ラインにChemical Vapor Deposition (化学気相蒸着)法を適用し、連続通板しながら炉内でSiCl4(四塩化珪素)ガスと鋼帯を反応させ、鋼のSi濃度を高めるプロセス技術。
(2)銀賞:2件 詳細省略
(3)銅賞:7件 詳細省略

【写真】代表取締役社長広瀬 (前列中央)と受賞者
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