ニュースリリース
JFEスチール株式会社
データ統合・CPS開発実行プラットフォーム『J-DNexus™』の構築、運用開始
~製造プロセスCPS化のさらなる高度化・展開加速~
当社はこのたび、 IT領域に蓄積した生産実績・製品品質データ等とOT(Operational Technology ※1)領域のセンサーデータ等の操業データの統合、およびサイバーフィジカルシステム (Cyber Physical System 以下、CPS)の開発・実行をクラウド領域で一元的に行うことができるプラットフォーム『J-DNexus™』をJFEシステムズ株式会社と構築し、運用を開始しました。
当社は、DX戦略として製鉄所全体にCPSを活用したインテリジェント製鉄所の実現を目指しています。インテリジェント製鉄所のコアとなる製鉄所・全社一貫CPSの構築にむけ、全製造プロセスのCPS化を推進中であり、これにより革新的な生産性向上・品質向上と安定操業を目指していく方針です。今回構築した『J-DNexus™』により、生産実績・製品品質データとセンサーデータ等の操業データの高度な統合と、それを用いてCPS開発・実行を効率的・一元的に行うことができるようになり、製造プロセスのCPS化のさらなる高度化・加速が可能となります。これまでの実証で、CPSシステムの構築にかかる期間を従来と比べて30%程度短縮できることを確認しています。
データ統合には、 ノルウェーのCognite社(※2)が提供しているITデータとOTデータの統合が可能な「Cognite Data Fusion」を鉄鋼業界では世界で初めて採用しました。 また、CPS開発・実行基盤には、生成AIをはじめとした開発支援機能群を備えています。
【『J-DNexus™』の機能】
1.データ統合基盤
・ITデータ(生産実績・製品品質データ等)とOTデータ(センサー・操業データ)統合
・上工程から下工程までのプロセス・製品一貫データ連携
・CPSのためのリアルタイムデータ連携
2.CPS開発・実行基盤
・データ解析およびCPSモデル(*)の開発・管理・実行機能
・生成AIをはじめとした開発支援機能群
(*)データサイエンスによって、未知・不可視の現象を見える化した上で解析を行い、将来予測等のために構築したモデル
当社は、鉄鋼業におけるグローバルな競争に勝ち抜いていくため、CPSをはじめとする新技術の開発と実用化を進め、既存ビジネスの変革、外販ソリューション、新規ビジネス創出など、あらゆる事業領域においてDXを推進しています。今後も、全社一丸となってさらなる新技術の開発と実用化を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

【図1】『J-DNexus™』イメージ
~『J-DNexus™』の由来~
「Nexus」には、「結びつける」、「つなげる」、「核心」という意味があり、データとデータサイエンス・デジタルトランスフォーメーション「D」を結びつけて、革新的な効果を生み出す核心となるプラットフォームという意味合いがあります。
(※1)OT(Operational Technology)
工場の設備やシステムを動かすための制御技術・運用技術
(※2)Cognite株式会社について
Cognite社は、2016年にノルウェーで設立され、世界中の製造業や石油ガス、電力などの重厚長大産業の本格的なデジタルトランスフォーメーションをサポートするグローバルな産業用SaaS企業です。Cognite株式会社は、Cognite社の100%出資子会社として2019年11月に日本で設立され、Cogniteの主力製品となる「Cognite Data Fusion」の国内における販売、マーケティング、およびサポート拠点となっています。
https://www.cognite.com/ja-jp/
【関連URL】
・DX REPORT 2023
https://www.jfe-holdings.co.jp/investor/library/dxreport/2023/pdf/all.pdf
JFEスチール株式会社 | 総務部広報室 | TEL 03(3597)3166 |