ニュースリリース
JFEスチール株式会社
建築構造用熱間成形継目無角形鋼管『カクホット®』が
世界遺産 元離宮二条城の本丸御殿保存修理工事で採用
このたび、建築構造用途で使用される当社の熱間成形継目無角形鋼管『カクホット®BSH325』(以下、『カクホット®』)が、世界遺産・二条城本格修理事業のうち「重要文化財 二条城本丸御殿玄関ほか3棟保存修理工事」に採用されました。
本丸御殿は、玄関、御書院、御常御殿、台所及び雁之間といった4つの建物で構成され、重要文化財に指定されています。平成7年の阪神・淡路大震災で建物に歪みが生じたことから公開は中止されておりましたが、再び公開することを目指して、平成29年度から令和5年度にかけて室内を安全に観覧できるよう耐震補強を含む保存修理工事が行われました。この耐震補強工事での主たる補強方法として鉄骨による耐震補強が実施され、その主要な鉄骨柱に『カクホット®』が使用されています。
『カクホット®』は、熱間シームレス成形により製造される国内唯一の継目無角形鋼管で、国土交通大臣の認定(※1)を取得した製品です。小径・厚肉の断面を特徴とし、柱材に使用した場合、空間の有効利用・省スペース化が可能で、かつ鋼管に継目が無いことから意匠材として有効に活用できます。「重要文化財 二条城本丸御殿玄関ほか3棟保存修理工事」では、補強材としての機能を果たしながらも、既存木造柱に寄せうる可能な限り小さい角形鋼管柱として、小径・厚肉の角形断面をもつ『カクホット®』の外径150㎜および200㎜が使用されています。これにより地震力に耐えつつ、観覧を妨げない美観を実現することができました。
当社は今後ともお客様のニーズに幅広くお応えできる付加価値の高い建築建材商品の開発を通して、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
~参考~
【世界遺産・二条城本格修理事業概要】
事業名:重要文化財(建造物)二条城本丸御殿玄関ほか3棟保存修理強化対策事業
工事対象:二条城本丸御殿4棟(玄関、御書院、御常御殿、台所及び雁之間)
敷地:京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541番地
所有者:京都市
事業期間:平成29年6月1日~令和6年3月31日(82箇月)

【写真1】本丸御殿 全景(元離宮二条城事務所 提供)

【写真2】『カクホット®』による耐震補強
【『カクホット®』概要】
【表1】『カクホット®』の製造サイズ表
寸 法 (mm) |
板 厚 (mm) | ||||||
13 | 16 | 19 | 22 | 25 | 30 | 33 | |
150×150 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
200×200 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
250×250 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
300×300 | ● | ● | ● | ● |
【表2】『カクホット®』の機械的性質に関する製品規格概要
種類の 記号 |
引張試験 | シャルピー 吸収エネルギー |
||||||
厚さ (mm) |
降伏点または 0.2%耐力 (N/mm2) |
引張強さ (N/mm2) |
降伏比 (%) |
試験片 | 伸び (%) |
試験 温度 (℃) |
吸収 エネルギー (J) |
|
BSH325 | 13≦t ≦25 |
325~445 | 490~610 | ≦80 | 5号 | 33≦ | 0 | 70≦ |
25<t ≦33 |
1A号 | 21≦ |
備考1) 試験片は平板部より採取するものとする。
2) シャルピー衝撃試験片はJIS Z 2242 Vノッチ、長さ方向とする。
(※1)国土交通大臣認定
建築基準法に基づく国土交通大臣認定。建築基準法第37条で指定された材料と異なる材料の使用については、大臣認定の取得が必要。認定番号は「MSTL-0438」。
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