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JFEスチール株式会社

第70回(令和5年度)大河内記念技術賞を受賞
~高炉のサイバーフィジカルシステム~

このたび、当社の開発した高炉のサイバーフィジカルシステム(Cyber‐Physical System 以下、CPS)化を目的としたデータサイエンス技術が、(公財)大河内記念会(理事長:山﨑弘郎 東京大学名誉教授)より、第70回(令和5年度)大河内記念技術賞を受賞しました。

大河内記念技術賞は、生産工学および生産技術の上で優れた独創的研究成果をあげ、学術の進歩と産業の発展に多大な貢献をした業績に与えられるものです。贈賞式が、3月26日に日本工業倶楽部会館(東京・丸の内)で行われました。

 

1.受賞件名:
「サイバーフィジカルシステムによる高炉操業の自動化」

2.受賞者:

橋本 佳也    スチール研究所 サイバーフィジカルシステム研究開発部 主任研究員
山﨑 和也    スチール研究所 副所長
長谷川 伸二    フィリピン・シンター・コーポレーション 社長
山本 哲也    製銑技術部 主任部員
河村 和朗    データサイエンスプロジェクト部 部長

3.開発の概要:
製鉄業における溶鉱炉(高炉)では、CO2排出量の低減のために、高効率かつ安定な操業が非常に重要です。高炉は熱効率に優れた反応プロセスであり世界中で利用されている一方で、内部の状態を直接見たり測定したりすることができないことや、原料の性質のばらつき等の影響で高炉の状態が大きく変化するといった難点があり、従来は熟練オペレーターの知識・経験に基づき操業されていました。ところが近年の高炉操業では更なるCO2排出量低減が求められており、従来以上に高い制御技術が必要とされつつあります。 これに対し当社は、実際の高炉から収集したセンサデータを用いて独自のモデルによりリアルタイムに炉内の状態把握や将来予測を行い、高炉操業において重要な溶銑温度や通気性の制御に関する最適な操業アクションを自動実行するシステム(CPS)を構築しました。本システムでは、炉内反応や伝熱現象を表現した物理モデルにより、最大で将来12時間先の溶銑温度がリアルタイムで予測可能となりました。また、炉内圧力測定データに統計的手法を適用した異常予知技術による通気性制御手法も確立しました。本システムを実際の高炉操業の現場で実用化・運用し、労働生産性の向上およびCO2排出量の削減に寄与しています。 当社は、高炉のみならず他のプロセスのCPS化を推進中であり、将来的には製鉄プロセス全体のCPS化を達成することで、革新的な生産性向上と安定操業を目指していく方針です。

 

【写真】贈賞式にて
(左より、河村氏、山﨑氏、橋本氏、長谷川氏、山本氏)

【写真】贈賞式にて(左より、河村氏、山﨑氏、橋本氏、長谷川氏、山本氏)
 
 

【図1】 高炉のサイバーフィジカルシステム

【図1】 高炉のサイバーフィジカルシステム
 
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03(3597)3845

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