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JFEスチール株式会社

施工省力化に貢献する接合工法「SHIBORAN-NEO®」を開発
~異径柱接合部の鉄骨製作を合理化~

当社は、上下階で径の大きさが異なる柱を増厚ダイアフラム(※1)で接合するJFEの異幅仕口工法「SHIBORAN-NEO®」を開発し、このほど構造性能と設計法について一般財団法人 日本建築総合試験所の建築技術性能証明(第22-26号)を取得しました(図1)。これにより、上下階で径の異なる角形鋼管柱に、施工省力化に貢献できる合理的な接合工法をご利用いただけるようになりました。

ビルなどの建物においては、上階と下階で求められる性能が異なるため、途中階で径の大きさが異なる鋼管柱が適用される場合があります。上下階で径の異なる角形鋼管柱を接合する際、一般的に傾斜(絞り)加工されたテーパー管のパネル(※2)が接合部に使用され、施工には高い技術と時間を要します。「SHIBORAN-NEO®」は、直管のパネルを用い、上側のダイアフラムを増厚することで柱の応力をスムーズに伝達し、接合部の耐力と剛性を確保した工法です。パネルを直管としたことにより、経済性だけでなく、柱とダイアフラムの溶接の自動化が容易になり、施工省力化のニーズにも対応した工法となっています。

 
【図1】 「SHIBORAN-NEO®」の概要

【図1】 「SHIBORAN-NEO®」の概要

 

本工法において、上下柱にはJBCR®385等の当社製ロール成形角形鋼管を、ダイアフラムにはHBL®385C等の当社製厚鋼板のC種(※3)を使用します。また、下柱には株式会社セイケイが製造するプレス成形角形鋼管を使用することも可能です。適用可能サイズは、上下柱の径差は50mm~150mm、上柱には外径250mm~550mm、下柱には外径300mm~700mmと、中低層建物で使用される範囲を網羅しています(図2)。また、建物の平面内部で上柱の径が小さい場合に多い⓪偏心なし形式だけでなく、建物の端となる外周部の上柱の径が小さい場合に多い①1方向偏心形式、②2方向偏心形式など、全ての位置に対応しています(図3)。本工法の剛性・耐力および変形性能については、構造実験および解析により確認しています(図4)。

「SHIBORAN-NEO®」の適用に際しては、お客様から検討依頼書、検討資料をいただき、建築技術性能証明に従った設計法に基づき、増厚ダイアフラムの必要板厚を当社が算定してご提供します。

当社は今後も、皆様の安心・安全のために国土強靭化に向けた鉄鋼商品ならびに利用技術の開発と普及に努め、お客様のさまざまなニーズにお応えできる付加価値の高い建築建材商品の開発を通して、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

(※1) 柱に梁を接合する際、梁フランジからの応力で柱面に面外変形が起こらないように柱に取りつけられる板のこと。図1は柱を切断し、ダイアフラムを挟んで接合する「通しダイアフラム形式」。

(※2) 柱梁接合部において柱と梁が交差する位置に設けられる短い部材のこと。

(※3) 板厚方向の性能を規定した製品のこと。通しダイアフラムのように、板厚方向に引張力が作用する際に用いられる。

 
【図2】 適用可能サイズ範囲

【図2】 適用可能サイズ範囲

 
【図3】 偏心形式

【図3】 偏心形式

 
【図4】 構造実験

【図4】 構造実験

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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