ニュースリリース
JFEスチール株式会社
JFEスチール特許表彰について
当社は、2022年度のJFEスチール特許表彰の受賞特許を決定し、12月7日に表彰式を行いました。
JFEスチール特許表彰は、優れた特許を発明した発明者を表彰することによって、より良い発明の創出を促進することを目的に、2018年4月に新たに制定した社内表彰制度であり、今回が第5回の表彰です。年1回、社内発明者から応募された登録特許の中から、特許として優れ(独創性・先駆性・独占性・排他性)、さらに事業への貢献度および社会的評価が高いと認められる特許を選出し、その特許の発明者を表彰します。加えて、各発明者には副賞金が授与されます。
<2022年度JFEスチール特許表彰>
(1)金賞:2件
案件名:高級電磁鋼板の製造方法
発明者:非公開(スチール研究所電磁鋼板研究部)
近年、地球温暖化防止を背景に世界各国で電力機器の省エネ化や効率規制が進んでいます。このため、変圧器や電動機の鉄心材料として使用される電磁鋼板においてもエネルギーロス(鉄損)の低減要求が高まっています。発明者らは研究を重ねた結果、従来に無い低鉄損化技術を開発しました。本技術をベースとして、様々な周辺技術を適用し、大幅な低鉄損化を達成した新規電磁鋼板の商品化に成功しました。現在、多くの電気機器鉄心に使用されており、お客様からも高い評価を受けています。今後も、更なる低鉄損化技術開発を通じて、地球環境改善に貢献してまいります。
案件名:高炉溶銑温度制御
発明者:橋本佳也、西野嵩啓、他2名(スチール研究所サイバーフィジカルシステム研究開発部)
高炉の安定操業のためには、炉底部から排出される約1500℃の溶銑(溶けた鉄)の温度を一定に制御することが重要です。溶銑温度は長年、熟練オペレータの経験と勘により管理されてきました。ところが近年の高炉操業ではCO2排出量の低減のため低還元材比が求められており、安定操業のために従来以上に高い制御技術が必要とされつつあります。そこで発明者らは、プロセス自動化を通じた更なる高効率・安定操業の実現のため、複雑な炉内反応を表現した数式モデルによる将来8時間先予測に基づき最適な操業アクションを計算する制御システムを開発しました。本システムは自動制御または操業ガイダンスとして当社の全高炉に適用されており、温度ばらつき低減およびCO2排出量低減に寄与しています。今後は海外へのソリューションビジネスの展開も図って参ります。
(2)銀賞:1件 詳細省略
(3)銅賞:10件 詳細省略
【写真】代表取締役社長北野(前列中央)と受賞者