ニュースリリース
JFEスチール株式会社
鉄鋼業界のグリーン化に向けた低炭素還元鉄のサプライチェーンの構築について
当社は、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井敬太、以下「伊藤忠商事」)、アラブ首長国連邦(UAE)鉄鋼最大手のEmirates Steel Arkan(本社:UAEアブダビ、Group CEO:Eng. Saeed Ghumran Al Remeithi、以下「エミレーツ・スチール」)と共に、鉄鋼業界のグリーン化に向けた低炭素還元鉄のサプライチェーン構築に関して、コアメンバーとして参画し、プロジェクト候補地をアブダビとする詳細な事業化調査を共同で推進することで合意しました。
世界的にカーボンニュートラルの動きが加速する中で、鉄鋼業界においては脱炭素化への対応を最重要課題と位置付けており、3社で共にこの課題解決に取り組んでまいります。
エミレーツ・スチールが生産を担う還元鉄は、徹底した低炭素化により生産される製鉄原料となります。鉄鉱石の還元には価格競争力のある天然ガスを使用しますが、そのプロセスで排出されるCO2はUAEの油田へ圧入(EOR)するCCUSで処理します。電源については、天然ガス由来から太陽光発電由来へ切り替えることも想定しています。また、将来、世界的に水素還元技術が確立された場合、その導入によるCO2排出量のネットゼロ化を目指します。
高炉法における鉄鋼製造プロセスで発生するCO2排出量の約80%が高炉による鉄鉱石還元プロセスに由来していますが、鉄鉱石をコークスで還元する高炉法に比べてCO2排出量の少ない低炭素還元鉄に鉄源を代替することで、CO2排出量の削減が可能となります。当社は、当プロジェクトにおいて生産される低炭素還元鉄を製鉄用原料として積極的に活用し、CO2排出量の削減を進めてまいります。
伊藤忠商事は高品位鉄鉱石の安定調達、エミレーツ・スチールは低炭素還元鉄の製造を担い、3社で連携して鉄鋼業界のグリーン化に向けたサプライチェーンの構築を目指してまいります。今後は、コアメンバーで実施済みの事業コンセプト検証を踏まえて、詳細な事業化調査及びサプライチェーンの構築を進めていく計画で、UAEに設立予定の合弁会社のもとで2025年度下期から低炭素還元鉄の生産を開始し、当社を含め、アジア市場に供給していくことを目指します。
JFEグループは2021年5月に「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、気候変動問題への対応を経営の最重要課題と位置付け、その解決に向けた取り組みを強力に推進しています。今後も、様々な超革新技術の開発を複線的に推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
◆エミレーツ・スチール会社概要
会社名 | :Emirates Steel Arkan |
所在地 | :Abu Dhabi Industrial City (ICAD), Musaffah, Abu Dhabi, UAE |
設立 | :1998年 |
代表者 | :HE Engineer Saeed Ghumran Al Remeithi (Group CEO) |
事業内容 | :鉄鋼業 |
主要株主 | :SENAAT(アブダビ政府系投資会社)、一般投資家 |
JFEスチール(株) | 総務部広報室 | TEL 03 (3597) 3845 |