ニュースリリース
JFEスチール株式会社
本社基幹システムをオープン環境に完全移行
~DX推進の基盤となるITプラットフォームの構造改革を推進~
当社はこのたび、JFEシステムズ株式会社および株式会社エクサの支援のもと、本社基幹システムをオープン環境に完全移行しました。4,000万STEPを超える大規模な基幹システムのオープン環境への完全移行は日本初の事例となります。本移行を通じて、お客様ニーズや環境変化に対して、これまで以上にスピーディーかつ柔軟に対応することができるようになります。さらに、システム稼働の信頼性を確保したうえで、開発・運用費を大幅に低廉化しながら、豊富に蓄積したデータ資産を最大限活用することが可能となります。
これまで当社は、障害発生時の影響の大きさを考慮し、高い信頼性等を特長とするレガシー環境上で、鋼材の受注・納入や管理部門運営の基盤となる本社基幹システムを稼働させていました。一方で、レガシー環境は各メーカーの独自規格で構築されるため、システム構成の選択肢や機能の拡張性に乏しく、先端デジタル技術の活用が難しいなど、データ資産活用の前提となる「変化に強い柔軟なIT構造」を構築するうえでの課題を抱えていました。
そこで当社は、オープン系サーバに関する技術的な進歩を踏まえ、「全ての基幹システムのオープン環境への移行」を掲げ、本社基幹システムのオープン環境への移行を推進してきました。システムの移行先として、当社が日本アイ・ビー・エム株式会社(現キンドリルジャパン株式会社)と構築したハイブリッドクラウド環境を採用しています。同環境は、レガシー環境と同水準の信頼性を有しており、データ処理量の急な増加にも迅速に対応することができます。また、オープン系技術に準拠した先端デジタル技術をデータ資産に容易に適用できるだけではなく、柔軟なシステムの構築が可能となります。
オープン環境への移行により、柔軟なITプラットフォームをベースに、お客様ニーズや環境変化に対して、これまで以上にスピーディーかつ柔軟に対応することができるようになりました。また、鋼材の受注・納入に関するビッグデータ解析を通じたサプライチェーン全体の効率化など、データ資産を活用した業務改革をさらに加速させることが可能となりました。加えて、システム運用費の低廉化や開発の効率化を通じて、年間十数億円を上回るメリットを見込んでいます。
当社は、22年度の仙台製造所を皮切りに、順次各製鉄所・製造所の基幹システム刷新を完了し、8次中期経営計画期間中の全社完全オープン化を目指しています。今後とも、革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指し、豊富に蓄積したデータ資産を最新のデータサイエンス・AI等を通じて積極的に活用していくことで、企業価値のさらなる向上に努めてまいります。
【図】レガシー環境からオープン環境への完全移行
(※)API
Application Programming Interfaceの略。第三者が開発したソフトウェアやアプリケーション等を共有するために、パブリッククラウドに設けられた接点。当社は、プライベートクラウド(J-OS Cloud)とパブリッククラウドをAPI経由で接続することによって、セキュリティ上の安全性を確保したうえで、パブリッククラウド上の先端デジタル技術を活用できるハイブリッドクラウド環境を整えている。
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