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JFEスチール株式会社

「IT Japan Award 2021」 準グランプリ受賞について

IT Japan Award 2021

準グランプリ

当社は、日経コンピュータ主催の「IT Japan Award 2021」において、「高炉CPS」および『J-mAIster®』に関する取り組みが評価され、準グランプリを受賞しました。

「IT Japan Award」は、情報システムを構築・活用し、顕著な成果を上げている企業を発掘し、成功のノウハウを広く共有するため、2007年に創設されたものです。過去1年間(2020年5月から2021年4月)に「日経コンピュータ」に掲載された記事の中から、「経営革新・業務改革への貢献度」、「システム構築・活用における独創性」、および「採用技術・手法の先進性」の観点で、優れたIT活用事例を毎年表彰しています。

【受賞案件①】 「高炉CPS」

高炉は鉄鉱石に含まれる酸素を除去し鉄を取り出す装置で、製鉄所のシンボルとも言われる設備です。鉄鋼業にとってコストに与える影響が大きく、安定かつ高効率の操業が非常に重要です。一方、高炉は高温であるため、内部にカメラやセンサーを取り付けて状態を確認することができず、安定的な操業にあたっては、熟練オペレーターの経験や操業判断、および各高炉においてそれぞれ開発・蓄積してきた技術への依存が高いという課題がありました。

そこで当社は、国内に保有・稼働する8基すべての高炉に、サイバーフィジカルシステム(以下、CPS)を導入しました。CPSとは、実際の製造プロセス(フィジカル)から収集したセンサデータをAIで解析し、独自の手法を用いてデジタル空間に高度な仮想プロセス(サイバー)を再現し、この2つをリアルタイムに繋ぐことで、現実では見えない設備の内部状態の把握や、将来の状態予測を行うことを可能にするシステムです。CPSの導入により、従来困難であった高炉炉内の重大トラブルの起因となりうる異常の予兆を検知するだけでなく、安定操業において重要な高炉炉内の熱の状態を8~12時間先まで予測することができるようになりました。さらに、予測結果に対する現時点での最適なトラブル防止アクションを、オペレーターにガイダンスするシステムを構築しており、高炉の安定・高効率操業を通じて生産性向上に寄与しています。

今後は、トラブル防止アクションも含めた高炉操業の自動化のみならず、CPSを製鉄プロセス全体に拡大していくことで、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指します。

 
高炉CPS
 

【受賞案件②】 『J-mAIster®

製造ラインの故障からの復旧時間が生産性を大きく左右する鉄鋼業において、AIを活用して復旧作業に必要な情報を的確に提供することで、迅速な復旧を図るシステムの構築が急務となっていました。また、製鉄所という広大な敷地内の移動時間の削減を可能にするモバイル端末の導入も求められていました。

そこで当社は、日本アイ・ビー・エム株式会社の支援のもと、『IBM® Watson』を活用した制御故障復旧支援システム(『J-mAIster®』)を全製造ラインに導入しました。『J-mAIster®』では、保全担当者がモバイル端末に故障の発生状況に関する質問等を音声やキーボードよりテキスト入力すると、『IBM® Watson』の音声認識機能および自然言語分類機能が質問の意図を読み取ります。意図に沿った検索条件を『IBM® Watson Explorer』に引き継ぐことで、過去の故障履歴、日報、各種マニュアル等の膨大なデータから最適なデータソースを特定します。そして、類似性の高い情報を検索および分析し、復旧に必要となる情報をリアルタイムに画面上に表示します。保全担当者が過去の事例や復旧に必要な情報を効率的に検索できるようになることで、情報の収集や移動にかかる時間の短縮が可能となり、故障からの復旧時間短縮を通じた生産性向上に寄与しています。

今後は、保全のみならず、操業をはじめとする他業務領域にも、『J-mAIster®』を活用していくことで、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指します。

 
J-mAIster
 

【関連URL】

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~「高炉CPS」の実現で革新的な生産性向上へ~

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本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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