ニュースリリース
JFEスチール株式会社
「世界最速を実現するインテリジェント調質圧延制御技術の開発」が
2021年度日本塑性加工学会 学会大賞を受賞
当社の「世界最速を実現するインテリジェント調質圧延制御技術の開発」が、このたび一般社団法人日本塑性加工学会(会長:岡田 政道)から、2021年度日本塑性加工学会賞 学会大賞を受賞しました。
日本塑性加工学会賞 学会大賞は、塑性加工の分野において顕著な業績として評価される学術的研究、あるいは、独創性のある特定の技術や材料・機械・製品開発を行った個人もしくはグループに対して与えられるもので、当社の学会大賞受賞は8年ぶり2回目となります。また、今回受賞した技術については、第54回機械振興賞 機械振興協会会長賞(2020年)も受賞しております。
1.受賞技術名
「世界最速を実現するインテリジェント調質圧延制御技術の開発」
2.受賞者
青江 信一郎 | スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員 |
小笠原 知義 | スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員 |
北村 拓也 | スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員 |
津山 裕史 | 西日本製鉄所(福山地区) 熱延部 熱延工場 副工場長 |
檀上 孝博 | 西日本製鉄所(福山地区) 制御部 熱延制御室 室長 |
川井 孝将 | 知多製造所 商品技術部 第一商品技術室 主任部員 |
舘野 純一 | スチール研究所 副所長(現 JFEテクノリサーチ株式会社 取締役) |
3.開発の概要
当社は、お客様からの熱延鋼板のさらなる品質向上に対する要望に応えるため、インテリジェント調質圧延制御技術(本受賞案件)を開発し、西日本製鉄所(福山地区)を皮切りに、全社展開を進めてきました。本技術では、CPS(サイバーフィジカルシステム)(※1)のコンセプトに基づき開発した、各種センサーデータと最適化・シミュレーション技術をリアルタイムに融合したインテリジェント制御技術により、鋼板の形状、伸び率、蛇行量などを高精度に自動制御します。これにより、鋼板全長にわたる品質向上が可能となり、これまで以上に高品質な熱延鋼板を、お客様に提供できるようになりました。さらに、世界最速である800m/minでの安定した圧延も可能となり、生産性の向上にも寄与しています。
当社は、「JFE Digital Transformation Center」(『JDXC™』)を開設し、製造プロセスのCPS(サイバーフィジカルシステム)化を進めるなど、DX(デジタルトランスフォーメーション、以下DX)を積極的に推進することで、革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指しています。今後とも、製造現場におけるあらゆる分野の課題を、DXを通じて解決していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(※1) CPS(サイバーフィジカルシステム)
フィジカル空間(実際の設備や製品)に関する莫大なセンサー情報(ビッグデータ)をサイバー空間に集約し、これを各種手法で解析した結果をフィジカル空間にリアルタイムにフィードバックすることで価値を創出するシステム。
【図】インテリジェント調質圧延制御