ニュースリリース
JFEスチール株式会社
インドでの方向性電磁鋼板製造販売会社設立に関するFSの実施について
当社は、インドの戦略的アライアンスパートナーであるJSW Steel Limited(以下、JSW)と共同で、インドでの方向性電磁鋼板(※1)製造販売会社設立の事業性検証(Feasibility Study、以下FS)を行うことを決定し、このたび、FS実施に関する覚書をJSWと締結しました。
当社は、現地の信頼できるパートナーと提携し、成長する海外市場の需要を、インサイダーとして積極的に取り込む海外事業戦略を推進してきました。JSWとは、2009年の戦略的包括提携契約の締結以来、資本参加、および自動車用鋼材や環境対策に関する技術ソリューションの提供など、提携のレベルを深化させてきました。電磁鋼板については、2012年以来、無方向性電磁鋼板の製造技術を供与しており、JSWはインドで最大の無方向性電磁鋼板サプライヤーへと成長しました。
電力需要の継続的な増加、および再生可能エネルギーの導入拡大などにより、変圧器に使用される方向性電磁鋼板の需要は、今後も全世界的に拡大していく見通しです。特にインドでは、経済発展に伴い、電力需要の大幅な増加が見込まれています。
これらの両社パートナーシップと需要環境を踏まえ、インドにおける方向性電磁鋼板製造販売会社の共同設立について、FSに着手することで合意しました。2021年度内を目途に、事業性の検証を進めていきます。
当社は今後とも、現地パートナーとの戦略的アライアンスを強化し、成長する海外市場に対して、CO2排出量削減に寄与するエコプロダクトの供給を拡大していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(※1)電磁鋼板
鉄にSi,Al等を添加した材料で、高磁束密度かつ低鉄損という優れた磁気特性を有します。全方向にほぼ平均的に優れた磁気特性を有し、モータなどの鉄心材料として用いられる無方向性電磁鋼板と、一方向(圧延方向)に極めて優れた磁気特性を有し、変圧器などの鉄心材料として用いられる方向性電磁鋼板の2種類があります。
(左) JFEスチール 代表取締役副社長 小川博之
(右) JSW 取締役(企画・営業担当) Jayant Acharya
【JSWについて】
社名 | JSW Steel Limited |
本社所在地 | インド ムンバイ |
設立 | 1994年 |
資本金 | 30億インドルピー |
社長 | Sajjan Jindal |
粗鋼生産量 | 1,626万t(2019年) |
事業内容 | 鉄鋼製品(普通鋼・特殊鋼)の製造・販売 |
JSWスチール社は、インドのインフラ成長を支える基幹産業において、多角的なビジネスを展開するJSWグループの中核会社です。1980年代初頭には、一つの製造ラインのみを有していましたが、今日では、粗鋼生産能力18百万t/年を有するインドの主要な高炉一貫製鉄会社の一つに成長しており、10年以内に粗鋼生産能力を45百万t/年まで拡大することを検討しています。カルナタカ州のヴィジャヤナガル製鉄所は、単一の製鉄所としてインド最大の12百万t/年の粗鋼生産能力を有しています。
JSWスチール社は、最先端の技術・研究・イノベーションをリードし、長期的な成長の基盤を築いてきました。世界の技術リーダーと戦略的に連携し、建設・インフラ・自動車など様々な分野に対して、高付加価値の鉄鋼製品を提供しています。
JSWスチール社は、World Steel Dynamics社の世界鉄鋼メーカー競争力ランキングにおいて、10年連続でトップ10にランクインした唯一のインド企業です。さらに、ヴィジャヤナガル製鉄所とセーラム製鉄所における総合的な品質管理に対して「Deming Prize」を、経営面での高いサステナビリティに対して「DSI RobecoSAM Sustainability Industry Mover Award」を受賞するなど、卓越した品質管理および経営でも広く知られています。