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JFEスチール株式会社

「炭化水素燃料バーナーを利用したクロム鉱石溶融還元プロセス」が
第53回市村産業賞本賞を受賞

当社が開発した炭化水素燃料バーナーを利用したステンレス鋼用クロム鉱石溶融還元プロセスが、第53回(令和2年度)市村産業賞本賞を受賞しました。本賞は、市村産業賞における最高位の賞です。当社の市村産業賞受賞は、4年ぶり8回目となります。4月19日、帝国ホテル(東京都千代田区)において贈呈式が開催されました。

市村賞は、リコー三愛グループ各社を統轄した創業者である故市村清氏の紺綬褒章受章を記念して創設され、我が国の科学技術の進歩、および産業の発展に顕著な成果をあげ、産業分野あるいは学術分野の進展に多大な貢献・功績のあった個人・グループに対して、毎年与えられるものです。

 
1.受賞案件
「炭化水素燃料バーナーを利用したクロム鉱石溶融還元プロセス」
 
2.受賞者
(事業経営者)
代表取締役社長 北野 嘉久
(技術開発者)
スチール研究所 製鋼研究部長 奥山 悟郎
スチール研究所 研究技監 岸本 康夫
スチール研究所 製鋼研究部 主任研究員 小笠原 太
 
3.開発の概要
当社の溶融還元炉は、クロム鉱石(Cr2O3)をスラグ内で溶融し、炭材(コークス、石炭)で還元して、ステンレス鋼の原料である金属クロム(Cr)を回収する当社オンリーワン技術を導入した設備です。一般的なステンレス鋼製造プロセスと異なり、製造時にエネルギーを大量に消費するフェロクロム(FeCr)合金の使用量を大幅に削減することができるため、極めて高いエネルギー効率を実現しています。
 
今回開発した技術は、従来のクロム鉱石供給装置(クロム鉱石添加ランス)に、バーナー単体としては世界最大クラスの炭化水素ガスを燃料とする純酸素バーナー機能を付与し、高温火炎を介してクロム鉱石を炉内に添加します。これにより、火炎中でクロム鉱石粒子が高速で加熱され、高温状態のクロム鉱石が反応領域に供給されるため、クロム鉱石の溶融還元に必要な熱を従来よりも高効率で与えることが可能になります。
 
本技術の導入により、従来の添加方法と比較して、エネルギー効率が約20%向上するため、CO2排出量を▽約10%削減することが可能となりました。2010年に千葉地区の製鋼工場への導入を完了しており、環境に優しい高機能・高品質なステンレス製品の安定供給に寄与してきました。
 
当社は今後とも、環境負荷低減技術の開発を推進し、社会全体のCO2排出量削減に寄与していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
 

【写真】

【写真】(左から)研究技監 岸本康夫、代表取締役社長 北野 嘉久、製鋼研究部長 奥山悟郎、製鋼研究部主任研究員 小笠原太

(左から)研究技監 岸本康夫、代表取締役社長 北野 嘉久、製鋼研究部長 奥山悟郎、製鋼研究部主任研究員 小笠原太

 

【図】炭化水素燃料バーナーを利用したクロム鉱石溶融還元プロセス

【図】炭化水素燃料バーナーを利用したクロム鉱石溶融還元プロセス
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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