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JFEスチール株式会社

「ツイン投光差分方式表面検査装置」が
第55回機械振興賞 機械振興協会会長賞を受賞

当社が開発した「ツイン投光差分方式表面検査装置」が、このたび一般財団法人機械振興協会(会長:釡 和明)から第55回機械振興賞 機械振興協会会長賞を受賞しました。 機械振興賞は、我が国機械工業における技術開発の一層の促進を図るため、優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械産業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者に対して毎年与えられるものです。当社の機械振興賞の受賞は3年連続10回目となります。 なお、2月22日に機械振興会館ホール(東京都港区)において表彰式が行われる予定です。

 

1.受賞技術名
「ツイン投光差分方式表面検査装置」

 

2.受賞者

大野 紘明 スチール研究所 サイバーフィジカルシステム研究開発部 主任研究員
小川 晃弘 知多製造所 製造部 中径シームレス管工場 工場長
山崎 孝博 知多製造所 企画部 設備技術室 主任部員
楯 真沙美 東日本製鉄所(京浜地区) 厚板部 厚板工場 副工場長
飯島 慶次 東日本製鉄所(京浜地区) 制御部 制御技術室 主任部員
 

3.開発の概要
鉄鋼製品の品質向上は非常に重要な課題であり、欠陥の無い製品をお客様に提供するため、当社では様々な検査装置の開発に取り組んできました。しかしながら、鋼管や厚鋼板など、表面を黒皮と呼ばれる黒い酸化膜で覆われた鋼材製品では、製品表面模様と凹凸欠陥の区別が難しく、熟練オペレータによる目視検査のレベルに匹敵する自動検査技術が確立されていませんでした。 そこで、凹凸欠陥のみを強調し検出できる新しい装置「ツイン投光差分方式表面検査装置」を独自に研究開発し、複数の黒皮鋼材の製造ラインへ導入しました。黒皮鋼材の実用的な表面検査装置の導入は業界初です。本装置は、欠陥が凹凸であるのに対し、製品表面の模様部分は平らであることに着目し、2方向から光を高速に交互に照射しながら撮像し、撮像された画像を差分(差を計算)することを特徴としています。2方向から光を交互に照射しながら撮像された2枚の画像では、凹凸は陰影のつき方により見え方が異なり、製品模様は同じようにみえることから、画像の差を計算することで同一に見える製品模様をキャンセル、凹凸欠陥のみを強調することが可能となりました(図)。 本装置はすでに知多製造所のシームレス管工場や電縫管工場、東日本製鉄所(京浜地区)や西日本製鉄所(福山地区)の厚板工場に導入し運用を開始しています。導入した製造ラインでは、連続的に発生する凹凸欠陥の早期検出や、確実な凹凸欠陥検出による流出防止など、製品の表面品質向上に寄与しています。 当社は、鉄鋼業におけるグローバルな競争に勝ち抜いていくため、お客様満足度に繋がる製品の品質向上は重要な課題であると考えています。今後とも、検出性能の高い新表面検査技術の開発と実用化を進め、より一層の製品品質向上に努めていくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

【図】ツイン投光差分方式表面検査装置

【図】ツイン投光差分方式表面検査装置

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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