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JFEスチール株式会社

突起付H形鋼『ストライプH』が八ッ場ダム水門柱構築工事で採用
~鉄筋コンクリート構造物の耐震性と品質の向上に貢献~

このたび、八ッ場ダム(群馬県吾妻郡長野原町)堤体上の水門柱の構築工事(※1)に、当社の突起付H形鋼『ストライプH』が鉄筋コンクリート構造における主鉄筋の代替として適用されました。これまでは急速施工が必要な場合の橋脚用主鉄筋の代替としての採用が主体であり、橋脚以外の構造物へは初採用となります。『ストライプH』の適用により、巨大地震に備えた耐震性の向上と施工品質の向上が実現されました。

『ストライプH』は、熱間圧延時にH形鋼のフランジ外面に、フランジ幅方向に横ふし(線状)の突起を付けることにより、通常のH形鋼と比べてコンクリートとの高い付着性能を付与した当社独自の商品です(写真1)。鉄筋コンクリート構造の骨組みとして通常使用される異形棒鋼と同等以上のコンクリートとの付着性能を有するうえ、異形棒鋼を用いた鉄筋コンクリート構造と比較し変形特性に優れ、高い耐震性能を有することなどが特長です。 また、『ストライプH』は異形棒鋼と比較して1本当たりの断面積が大きいため、使用する部材数を減らすことができ、鉄筋組み立て作業の省力化・工期短縮が可能となります。

今回の八ッ場ダム堤体上の水門柱は、巨大地震が作用しても倒壊させない必要があり、かつ水の流れを阻害しないようにコンパクトな形状にする必要がありました。そのため、従来の異形棒鋼を用いる鉄筋コンクリート構造を採用した場合、剛性を高めるために鉄筋の量が増えて過密化し、コンクリートの充填を阻害する要因となり、施工品質の低下が発生する恐れがありました。そこで、従来橋脚向けが主体であった『ストライプH』が、優れた耐震性能やコンパクトな構造でも施工可能であるという特長を生かし、主鉄筋の代替として適用されることで、鉄筋の過密化を回避するとともに耐震性と施工品質の向上を図ることができました(図1、写真2)。

近年、大型構造物の建設・更新にあたっては、巨大地震に備えた従来以上の耐震化対策が求められています。当社は今後も、鋼材の特性を活かし、『ストライプH』など国土防災・強靭化に資する製品の開発・改良を進め、人々の安全・安心な暮らしへの貢献に努めていきます。

 

【写真1】『ストライプH』の形状

【写真1】『ストライプH』の形状

 

【図1】『ストライプH』適用によるコンクリート構造施工効率化のイメージ

【図1】『ストライプH』適用によるコンクリート構造施工効率化のイメージ

 

【写真2】八ッ場ダムにおける『ストライプH』の施工状況

【写真2】八ッ場ダムにおける『ストライプH』の施工状況

 

(※1)発注:国土交通省八ツ場ダム工事事務所、元請:清水・鉄建・IHI異工種JV

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166

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