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JFEスチール株式会社

コストパフォーマンスに優れた
高塩分対応型の高耐候性鋼板が国内橋梁に初採用

このたび、当社が開発した高塩分対応型の高耐候性厚鋼板『LALAC®-HS(*)』が、国内で初めて橋梁に適用されました。当該橋梁は、JFEエンジニアリング(株)が製作と架設を行い、2019年4月に竣工しました。今後当社は、飛来塩分が高く腐食環境下にある橋梁に従来用いられてきたニッケル系高耐候性鋼板よりもコストパフォーマンスに優れた厚鋼板として、『LALAC®-HS』の販売を強化していきます。

長期間にわたり使用される橋梁は、ライフサイクルコストを低減する必要があることから、建設の初期や補修時に塗装する必要のない無塗装耐候性鋼板が全体の約2割使用されています。一方で、海岸の近傍や、凍結防止剤を散布する環境など飛来塩分の高い地域では、過度な腐食を抑制することが極めて重要になります。これには、耐久性の高い塗装を行う方法、表面処理を行う方法、塗装寿命延長鋼板を使用する方法のほか、無塗装鋼板を使用する場合は高塩分対応型の高耐候性鋼板を採用する方法が挙げられます。ただし、高塩分対応型の高耐候性鋼板は、これまでニッケル系高耐候性鋼板が使用されてきましたが、ニッケルを1~3%添加するため高コストであるという課題がありました。

この課題に対して、当社は、JIS G 3114(SMA)の鋼組成をベースとし、ニッケルの添加量を抑制しつつ、塩分環境での耐食性を低下させると言われるクロムを添加せず、耐食元素であるスズ、ニオブを微量複合添加することにしました。この結果、緻密な保護性さびを得ることができ、良好な溶接施工性を確保するとともに、コストパフォーマンスに優れながらも従来のニッケル系高耐候性鋼とほぼ同等の耐候性を得ることに成功しました。

これらの性能に基づき、このたび国内で初めて橋梁に適用されることになりました。当該橋梁は自動車専用道路における長さ194メートルの橋梁で、JFEエンジニアリング(株)が製作と架設を行い、2019年4月に竣工しました。

なお、『LALAC®-HS』は、化学成分以外は「JIS G 3114(SMA)」の橋梁用規格を満足しており、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録(No. CB-160011-A)されています。また、橋梁以外にもより沿岸に近い地域に設置される鉄塔などの鋼構造物への適用も期待できます。

当社は今後とも、高機能・高品質な鋼材の供給を通じて、橋梁や鋼構造物等の更なる経済性、安全性、信頼性向上に努めてまいります。

(*)LALAC®-HS: Low Alloyed & Low Atmospheric Corrosion Steel – High Salinityの略。

 

【写真】『LALAC®-HS』が適用された橋梁

【写真】『LALAC®-HS』が適用された橋梁

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166

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