ニュースリリース
JFEスチール株式会社
「第7回ものづくり日本大賞」内閣総理大臣賞をダブル受賞
~「Super-SINTER®」と「構造アレストで実現したメガコンテナ船」~
このたび、第7回ものづくり日本大賞の製造・生産プロセス部門にて「Super-SINTER®」が、製品・技術開発部門にて「構造アレストで実現したメガコンテナ船」が、それぞれ内閣総理大臣賞を受賞しました。内閣総理大臣賞は、各部門における最高位の賞です。当社は、ものづくり日本大賞をこれまで6件受賞しておりますが、内閣総理大臣賞の受賞は今回が初で、かつ二部門でのダブル受賞となりました。表彰式は、1月22日に開催されました。
ものづくり日本大賞は、日本の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきたものづくりを着実に継承し、さらに発展させていくため、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材など、ものづくりの第一線で活躍する各世代のうち、特に優秀と認められる人材などを顕彰する制度です。特に、昨今日本の製造業が直面している様々な事業環境の変化に柔軟に対応し、新たな付加価値を提供する人材にスポットライトを当て、広く発信していくことを目的とし、それによって、ものづくりに携わる全ての人材の意欲向上、ひいては日本の製造業が今後も力強く成長していくための原動力となることを期待するものです。 製造・生産プロセス部門は、製造・生産工程における画期的なシステムや手法の開発・導入によって、生産の抜本的効率化など、生産革命を実現させた個人又はグループに表彰されるものです。また、製品・技術開発部門は、高度な技術的課題を克服し、優れて画期的な製品若しくは部品や素材等の開発・実用化を実現させた個人又はグループを表彰するものです。
受賞内容は、下記の通り。
【製造・生産プロセス開発部門】
1. 受賞件名
「CO2排出量削減に適した製鉄原料製造プロセス(Super-SINTER®)の開発」
2. 受賞者
JFEスチール(株)スチール研究所 | 佐藤道貴 |
JFEスチール(株)製銑技術部 | 佐藤秀明 |
JFEスチール(株)技術企画部 | 大山伸幸 |
JFEスチール(株)東日本製鉄所(京浜地区)コークス部 | 渡辺芳典 |
JFEスチール(株)スチール研究所 製銑研究部 | 山本哲也 |
JFEスチール(株)スチール研究所 製銑研究部 | 樋口隆英 |
JFEスチール(株)スチール研究所 製銑研究部 | 岩見友司 |
3. 受賞概要
「Super-SINTER®」は、高炉の主原料となる焼結鉱の製造工程において、粉コークスの一部代替として炭化水素ガス(都市ガス)を使用することで、焼結層内の最高温度を上昇させることなく最適な焼結反応温度を長時間保持し、製鉄プロセスのエネルギー効率を大幅に向上させます。2009年に東日本製鉄所(京浜地区)焼結工場において、世界で初めて実用化に成功しており、すでに当社保有の国内全焼結機への導入を完了し、安定操業を継続しています。
加えて、当社では炭化水素ガスを吹き込むと同時に酸素富化を行うことで、「Super-SINTER®」効果を向上させた新技術「Super-SINTER® OXY」を開発し、2012年に東日本製鉄所(千葉地区)焼結工場において、世界で初めて実用化に成功しました。
「Super-SINTER®」はJFEスチール(株)の登録商標です。
【図】「Super-SINTER®」設備の概要
【写真1】「Super-SINTER®」設備(京浜地区 第1焼結工場)
【写真2】授賞式
【製品・技術開発部門】
1. 受賞件名
「革新的構造・施工技術「構造アレスト」で実現した安全・環境性能に優れるメガコンテナ船」
2. 受賞者
ジャパン マリンユナイテッド株式会社 | 豊田昌信 |
ジャパン マリンユナイテッド株式会社 | 木治昇 |
ジャパン マリンユナイテッド株式会社 | 鶴田健二 |
JFEスチール(株)技術企画部 | 長谷和邦 |
JFEスチール(株)スチール研究所 接合・強度研究部 | 半田恒久 |
JFEスチール(株)スチール研究所 | 大井健次 |
株式会社IHI | 猪瀬幸太郎 |
3. 受賞概要
コンテナ船は急速に大型化が進み、それに合わせて鋼板の厚肉化や高強度化、高アレスト性能(亀裂伝播停止性能)が求められています。そこで当社は、ジャパン マリンユナイテッドおよびIHIと共同で、溶接構造体である船体の特徴を活用した革新的な「構造アレスト」技術(世界初)を開発しました。開発した構造アレスト技術は、溶接・設計を含めた新しい構造により、船体のアレスト性能を向上させる技術です。また、この技術に適用可能な高強度極厚鋼板、および鋼板の極厚化による溶接工数増加を抑制できる、画期的な高能率溶接技術を併せて開発することで、船体の大型化、貨物積載量増加、および船体の軽量化による燃費改善を可能としました。これらの技術開発により、安全・環境性能に優れる世界一のメガコンテナ船を開発しました。
【写真1】世界最大の構造アレスト技術を適用した14000TEUコンテナ船
【写真2】授賞式
当社は、今後とも世界最高水準の技術をもって、地球環境保護に貢献してまいります。