ニュースリリース
JFEスチール株式会社
高耐腐食性継目無鋼管『JFE-UHP®-17CR-110』が初ランニング
~マレーシア・ペトロナスチャリガリ社向け~
このたび当社は、マレーシア国営石油会社PETRONAS社の100%出資運営会社PETRONAS Carigali Sdn Bhd(以下、「ペトロナスチャリガリ社」)が、マレーシア・サラワク州沖合で展開するガス開発プロジェクト「NC3」向けに、チュービングパイプ(※1)用油井管『JFE-UHP-17CR-110』を約925トン受注(※2)しました。そして、2015年12月~2016年12月にかけて世界初となる『JFE-UHP-17CR-110』のランニング(※3)が行われました。
「NC3」は、マレーシア・サラワク州沖合にある大規模ガス田の開発を行う、ペトロナスチャリガリ社のプロジェクトです。従来、このような高温高圧の環境を持つ井戸には、耐腐食性に優れた二相系ステンレス鋼(※4)が多く使用されてきましたが、当社が独自に開発した『JFE-UHP-17CR-110』は、高強度で、且つ高温での耐腐食性に優れた材料であり、二相系ステンレス鋼と比べて、コスト面・納期面でのメリットがあります。この点に加え、当社の長年にわたる世界の様々な油田・ガス田開発プロジェクトへの高級鋼管の供給実績、およびそれを支える最先端の鋼管製造技術と品質への高い信頼性が評価され、今回採用および初ランニングとなりました。
また、パイプ同士の接続部には、クロム系油井鋼管で多数の実績があり、ランニング時のトラブルが極めて少ないと評価されている、当社開発の特殊ネジ『JFEBEAR®』が採用されています。
当社は今後とも、鋼管をはじめとする高機能・高品質な鋼材商品の提供を通じて、世界の資源・エネルギー開発に貢献してまいります。
UHPおよびJFEBEARは、日本におけるJFEスチール株式会社の登録商標です。
(※1)チュービングパイプ:
石油・ガス井の掘削作業において、完成された井戸に挿入し、石油・ガスの取り出しに使用される鋼管。(油井管を外圧から守る強固な外殻として地中(海底含む)に埋設する鋼管はケーシングパイプ。) |
(※2)パイプサイズ:外径7インチ(177.80mm)/管厚0.408インチ(10.36mm)
(※3)ランニング:
井戸にパイプを降ろすこと。 |
(※4)二相系ステンレス鋼:
高クロム(Cr)に適量のニッケル(Ni)を添加し、オーステナイトとフェライトの二相組織とした高強度・高耐腐食性ステンレス鋼。 |
【PETRONAS社の概要】
マレーシアの石油およびガスの供給を行う大手国営企業。
創立年:1978年
本社 :マレーシア/クアラルンプール
【地図】
【写真】『JFE-UHP®-17CR-110』