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JFEスチール株式会社

平成29年度全国発明表彰「文部科学大臣賞」を受賞

この度、当社の開発した「高靱性電縫鋼管マイティーシーム®の超音波オンライン検査技術」が、平成29年度全国発明表彰(※1) 文部科学大臣賞を受賞しました。また、当社社長の柿木厚司が「発明実施功績賞(※2)」を受賞しました。

今回の受賞は、当社が開発した“電縫鋼管の溶接品質連続検査を実現した世界初のオンライン検査技術”の独創性や革新性、経済性が高く評価されたものです。当社の全国発明表彰受賞は4年連続で、JFE発足以来8回目となり、表彰式が昨日6月12日、ホテルオークラ東京(東京・港区)にて行われました。

 

1.受賞件名:

「電縫管の溶接部の保証を実現した連続超音波検査技術の発明」

 

2.発明者:

飯塚 幸理 スチール研究所 計測制御研究部 部長
剣持 一仁 知的財産部 知財技術室 主任部員
井上 智弘 鋼管センター 鋼管企画部 主任部員
坂下 重人 鋼管センター 鋼管企画部 主任部員
 

3.発明の概要:

本検査技術は、電縫鋼管の溶接品質(低温靭性)に影響を及ぼす微細な酸化物を、連続的に全長検査できるようにした世界初の技術です。 電縫鋼管は生産性に優れ、寸法精度が高い特徴を有し、鋼管の継ぎ目部分における溶接負荷の低減など、ラインパイプ敷設におけるコスト低減が期待できます。しかし、アラスカ等の極寒冷地に適用するためには、溶接時に発生する微細な酸化物の影響で靭性が低下する場合があるため、より信頼性の高い溶接部が求められていました。 そこで当社では、フェーズドアレイ技術(※3)を活用して、超音波を溶接部に集束させることで、従来の超音波探傷装置に比べて10倍以上の高感度化を達成し、溶接品質へ影響する微細酸化物の状態を検出できる技術を開発し、製造中オンラインでの連続全長検査を実現しました。 本検査技術は、東日本製鉄所(京浜地区)および知多製造所の溶接管工場において実用化され、溶接時に発生する酸化物の形態や分布を制御する新しい溶接技術と合わせ、溶接部性能を飛躍的に向上させたラインパイプ用電縫鋼管「マイティーシーム®」(※4)の製造に適用されています。これは極寒冷地用ラインパイプなどに採用され、敷設コスト削減に寄与する鋼管として社会に貢献しております。

なお、本技術およびマイティーシームは、平成25年度「第11回新機械振興賞(会長賞)」、同「低CO2川崎ブランド’13認定」、平成27年度「関東地方発明表彰(神奈川県発明協会会長賞)」、同「第62回大河内記念技術賞」等を受賞しております。

当社は今後も独自の設備・技術・商品の開発を通じて、お客様の高度化する様々なご要望にきめ細かくお答えしてまいります。

 

【写真】ホテルオークラ東京での表彰式

【写真】ホテルオークラ東京での表彰式

 

(※1)全国発明表彰:
公益社団法人発明協会(会長:野間口 有)が主催。我が国の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、独創性に富む優れた発明を完成した者、発明の実施化及び指導、奨励、育成に貢献した者を表彰。

(※2)発明実施功績賞:
発明の実施及び奨励に関し、功績のあった者を顕彰。

(※3)フェーズドアレイ技術:
微小な送受信素子を多数配列したアレイセンサを用い、各素子の送受信タイミングにわずかな時間差を加えることで、ビームの方向や集束位置を任意に設定できる技術。

(※4)「マイティーシーム®」:
従来品に比べ溶接部の性能を飛躍的に向上させた電縫鋼管。フェーズドアレイ超音波探傷により、連続的に溶接部全長をリアルタイムで探傷。溶接時に発生する酸化物の形態や分布を制御することにより、-50℃以下の低温下における靭性確保が可能。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166

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