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ニュースリリース


JFEスチール株式会社
ジャパンパイル株式会社

国内最大級の支持力「コン剛パイル®工法」の開発と評定取得
~建築基礎向けの高支持力先端拡大根固め杭工法~

JFEスチール株式会社(以下、「JFEスチール」)とジャパンパイル株式会社(以下、「ジャパンパイル」)はこのたび、新たな高支持力先端拡大根固め杭工法(※1)「コン剛パイル®工法」を共同開発し、2017年3月29日に(一財)ベターリビングの評定(※2)を取得しました。これは、国内最大級の支持力を誇る杭工法で、杭先端部の内外面に鉄筋を取り付けた鋼管と、根固め球根を一体化させることにより大きな支持力を得ます。

 

【図1】コン剛パイル®工法(通常タイプの構成例)

【図1】コン剛パイル®工法(通常タイプの構成例)

 

【図2】コン剛パイル®工法(拡頭タイプの構成例)

【図2】コン剛パイル®工法(拡頭タイプの構成例)

 

近年、建築物としての機能を向上させるため、柱の本数を削減し、柱1本に負担させる荷重が増加する傾向にあります。また、建設費の削減を目的として、“1本の柱に対して1本の杭”といったように、杭に要求される支持力も高まっています。 JFEスチールおよびジャパンパイルは、このような要求に応えるべく、同類工法では最大級となる杭径1,500㎜、根固め球根径3,000㎜の「コン剛パイル®工法」を開発しました。これにより、杭1本当たりの鉛直支持力と水平抵抗力が大きく取れるため、高い支持力性能や耐震性能が求められる大型建築物の基礎に対し、杭本数を削減することができ、基礎寸法の縮小や工期短縮が図れます。

 

【コン剛パイル®工法の特長】

 
・国内最大級の支持力性能
杭本体より直径が大きな根固め球根を杭先端に築造することにより、長期先端許容支持力は最大で24,400kNと、国内最大級の支持力性能の実現が可能となります。最大適用径は、杭径が1,500mm、根固め球根径が3,000mmで、高支持力先端拡大根固め杭工法においては最大級です。
・合理的な構造
鋼管杭と既製コンクリート杭を、荷重条件に応じて適切に組み合わせる(“混合”コンゴウする)ことができます。また、必要とされる鉛直荷重と地震などによる水平荷重に応じて杭径が一定な通常タイプか拡頭タイプかを選択できます。加えて、支持力性能が高いため、従来では柱の下に複数本の杭が必要となった場合でも、1本の杭で設計できることが期待されます。
・選べる施工法
施工法は、地盤を掘削した後に杭体を沈設するプレボーリング方式と地盤を掘削しながら杭体を沈設する中掘り方式があり、現場の条件などに応じて、最適な施工法を選択することができます。
・優れた経済性
荷重条件に応じた最適かつ合理的な設計、および高強度鋼管杭(※3)の活用による鋼材重量の低減により、優れた経済性を発揮します。また、杭の本数削減や、基礎寸法の縮小が可能となり、それに伴う建設工期の短縮にも寄与します。
・高い環境性能
掘削した土砂を泥土化させながら杭を沈設させるため、場所打ち杭(※4)に比べ、地上への残土を大幅に減らすことができます。低騒音・低振動・低排土であり、環境に配慮した杭工法です。
 

これらの特長は、大型物流倉庫や火力発電設備など、特に柱1本あたりの荷重が大きな建築基礎において、大きな効果を発揮します。

コン剛パイル®工法は、JFEスチールの鋼管杭とジャパンパイルの既製コンクリート杭を使用して施工します。施工は、ジャパンパイルおよび承認施工会社であるノザキ建工株式会社が行います。

JFEスチールおよびジャパンパイルは、“基礎ぐい工事の適正な施工を確保するために講ずべき処置”として発出された「平成28年国土交通省告示第468号」(※5)を受け、コン剛パイル®工法における、より信頼性の高い施工管理を目指した施工指針を自主規定しました。その内容は、(一財)ベターリビングより審査され、建設技術審査証明書を取得しています。

JFEスチールとジャパンパイルは今後も、環境に優しく、施工性および経済性に優れる工法、ならびに製品を通じて社会に貢献してまいります。

 
【写真1】根固め球根
【写真1】根固め球根
【写真2】中掘り方式
【写真2】中掘り方式
 
(※1)高支持力先端拡大根固め杭工法:
杭本体より直径が大きな根固め球根を支持層内に築造し、杭本体と根固め球根とを一体化させることにより、杭単体で発揮される支持力よりも大きな支持力を得る工法。
(※2)評定:
第三者機関が建築基準法令やその他の技術基準などに照らして性能を評価するもの。
(※3)高強度鋼管杭:
当社では国土交通大臣認定材料として、一般的に使用される鋼管杭(SKK490)より設計基準強度を35%向上させたJFE-HT590Pを保有している。
(※4)場所打ち杭:
掘削した地盤に鉄筋籠を挿入し、コンクリートを打設することにより現場で造成する杭。
(※5)「平成28年国土交通省告示第468号」:
横浜マンションに端を発した基礎ぐい工事問題を受け、発出された、建設会社が基礎ぐい工事に際して一般的に遵守すべき事項を定めた告示。施工体制、杭の支持層到達及び施工記録について定められている。
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166
ジャパンパイル(株) 施工推進部 TEL 03 (5843) 4195

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