ニュースリリース
JFEスチール株式会社
日本インシュレーション株式会社
建築構造用冷間ロール成形角形鋼管との組み合わせによる
けい酸カルシウム板耐火被覆厚の低減と認定取得について
このたび、JFEスチール株式会社(以下、「JFEスチール」)は、日本インシュレーション株式会社(以下、「日本インシュレーション」)の技術協力のもと、建築構造用冷間ロール成形角形鋼管(以下、「冷間ロールコラム」)の「JFEコラムBCR」(※1)を使用した鋼管柱に限り、耐火被覆材料であるけい酸カルシウム板(※2)の厚みを40%以上低減させ、国土交通大臣より耐火構造(※3)の認定を取得しました。
耐火を目的とした被覆材料やその厚みは、建築基準法および関連法規で定められた要求性能(※4)に応じて、評価機関による所定の耐火試験で検証され、国土交通大臣より認定されます。JFEスチールは、耐火被覆材料と冷間ロールコラムそれぞれの熱特性を解析し、最適な仕様で組み合わせることにより、被覆厚を低減させながら耐火性能を確保する開発を行っています。今回、施工が簡単なけい酸カルシウム板を対象に、JFEスチールの「JFEコラムBCR」と日本インシュレーションの「Jタイカ」との組み合わせで、従来は35mmだった被覆厚を20mmに低減し、2時間耐火認定を取得しました。これにより、「JFEコラムBCR」が使用される鉄骨造建築物において、耐火被覆工事費削減と柱の仕上げ寸法縮小による居室有効面積の拡大が可能になります。
さらに、今回の認定取得に加え、建物の外周部にある鋼管柱など、外壁を耐火被覆の一部として活用する合成耐火構造についても、鉄骨造建築物で使用頻度の高い外壁材であるALC板(※5)を対象に、「JFEコラムBCR」と「Jタイカ」の組み合わせで、2時間耐火の認定取得を3月中に見込んでいます。
JFEスチールグループおよび日本インシュレーションでは、今後もお客様のニーズに応じた建材商品の開発に努めてまいります。
【図】けい酸カルシウム板と冷間ロールコラムの取り付け要領
【写真】けい酸カルシウム板を使用した鋼管柱の施工例
(※1)建築構造用冷間ロール成形角形鋼管「JFEコラムBCR」の規格
種類の記号 | 認定番号 | 降伏点 N/mm2 |
引張強度 N/mm2 |
降伏比 % |
BCR295 JBCR295 |
MSTL-0141 MSTL-0142 MSTL-0401 |
295~445 | 400~550 | 90以下 |
「BCR」は一般社団法人日本鉄鋼連盟の登録商標です。
(※2)けい酸カルシウム板の耐火被覆厚
種類 | 1時間耐火 | 2時間耐火 | ||
被覆厚さ | 被覆厚さ | |||
既往認定仕様 | けい酸カルシウム板 (タイカライト) |
1号 | 20mm | 35mm |
2号 | 25mm | 45mm | ||
今回認定仕様 | Jタイカ | 1号 | - | 20mm※ |
※ | Jタイカの実用最小板厚は20mm |
冷間ロールコラム適用サイズは、□-250×250×16~□-550×550×25 | |
けい酸カルシウム板1号品は塗装・クロス仕上げ用、2号品は粗素地 |
(※3)耐火構造:
法第2条第7号、令107条。火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するため、建築物に必要とされる耐火性能を有する構造のこと。
(※4)要求性能:
建築物の部分・階数に応じて要求される性能の「要件」と「時間」のこと。柱
に要求される要求耐火時間は下記のとおり。
1時間:最上階及び最上階から数えた階数が2以上で4以内の階。
2時間:最上階から数えた階数が5以上で14以内の階。
3時間:最上階から数えた階数が15以上の階。
(※5)ALC板:Autoclaved Lightweight aerated Concrete。高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートのこと。
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