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JFEスチール株式会社

日本初の種子コーティング用プレミックス鉄粉「粉美人®」を開発、販売開始

当社は、このたび、直播稲作で使用される種子コーティング用プレミックス鉄粉「粉美人®」を日本で初めて開発し、製造を開始しました。尚、販売はキンセイマテック株式会社(本社:大阪市中央区)が行います。

近年、稲作の低コスト・省力化を目的とした鉄コーティング水稲直播技術が脚光をあびています(*)。鉄コーティング水稲直播とは、鉄粉でコーティングした稲種子(籾)を水田に直接播き、水田中で発芽、苗立ち、生育させる栽培方法です。育苗作業・苗運搬が不要となるため、現在日本で一般的に行われている水稲移植栽培と比べ大幅な省力化が可能となります。

種子に被覆する鉄粉は水田に播いたとき、おもりの役目を果たしますが、鉄粉をそのまま種子にまぶしても付着しないため、接着剤として焼石膏を使用します。鉄粉と焼石膏を一定の比率で混合し、水に浸しておいた種籾にふりかけて適度に水分を与えると、焼石膏は水と反応して固化します。同時に鉄粉も酸化(錆び)が進行し、強固な鉄皮膜を形成します。このようにしてできたコーティング層は、堅固で水中でもはがれないため、水田に直接播くことが可能となります。

しかしながら、従来は鉄粉と焼石膏が別々に販売されていたため、お客様で混合作業を行う必要がありました。また、鉄粉と焼石膏という大きく比重の異なる粉末を均一に混合することは難しく、コーティングにムラが発生し、乾燥後に鉄粉が脱落するという課題がありました。

そこで今回当社は、あらかじめ鉄粉と焼石膏を所定割合で均一混合した新しい鉄粉商品「粉美人®」を日本で初めて開発しました。鉄粉と焼石膏を均一に混合する技術は、当社が日本で最初の粉末冶金用鉄粉を開発して以降培ってきたものを応用しています。同商品の使用により、お客様の混合作業が省略され、不均一な混合によるコーティングムラが解消されます。

また今回開発した鉄粉(当社銘柄名:JIP S91)は、当社従来品よりも粒度を細かくすることで、乾燥後も種籾への高い付着性を維持することが可能となり、品質面でも大幅に向上しました。加えて鉄粉脱落による粉塵の発生を抑え、作業環境改善にも寄与します。

2014年6月には、その優れた品質が全国農業協同組合連合会(JA全農)に認められ、全国のJAにて農業資材として取り扱われることになりました。これにより農家のお客様に更に身近に使用して頂ける環境が整いました。

当社は今後も鉄粉の新たな需要分野の開拓、普及を図ると共に、更に高品質、高機能な商品の開発に注力し、お客様の利便性向上に努めてまいります。

(*)独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)によって2004年に開発され、現在、JA全農等が主体となって技術の普及を図っている。同技術の開発以降、順調に普及が進んでおり、2013年度は約10000haで鉄コーティング直播技術を利用した作付けが行われたと推定されている。

【写真】コーティング・養生(錆発生)後の外観写真

コーティング・養生(錆発生)後の外観写真
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 Tel 03(3597)3166

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