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ニュースリリース


JFEスチール株式会社

広範囲な切削条件での切削性に優れた鉄粉『JIP クリーンミックス JFM®X』を開発
~加工時の工具磨耗を大幅に低減する「JFM®シリーズ」のラインナップ拡大(第5弾)~

当社はこのたび、旋削性およびドリル切削性に優れた焼結機械部品用鉄粉『JIP クリーンミックス JFM®X』(*1・2)を開発しました。

鉄系焼結機械部品は、形状の自由度を生かし、従来よりエンジン部品などの自動車部品を中心に適用されています。高精度化や多機能化に対応するための切削加工が施される部品も多く、部品製造コストの低減を実現する上では、切削加工費の低減が重要な課題となっています。これに対し当社は、2006年にドリル加工時の断続衝撃を抑制する切削改善剤『JFM®3』を、2008年には高速旋削時の工具磨耗を減らす切削改善剤『JFM®4』を開発し、これまで自動車部品メーカーを中心に多数採用されています。

近年、部品の小型化および形状の複雑化が進む中、単一部品に対して旋削とドリル加工の両方を行うニーズが高まっています。今回開発した『JIP クリーンミックス JFM®X』は、『JFM®3』および『JFM®4』の両者の特性を同時に有し、かつ個々の特性も改善された、オールマイティな切削改善剤である『JFM®X』が添加された偏析防止処理鉄粉です。『JIP クリーンミックス JFM®X』は、『JFM®3』を添加した鉄粉に比べドリル切削抵抗の低減に1.4倍の効果があり(図1)、また、『JFM®4』を添加した鉄粉に比べ旋削加工での工具磨耗量は30%減少します(図2)。

『JIP クリーンミックス JFM®X』を使用することで、スプロケット(歯車)用などの旋削とドリル切削が組み合わされた加工ラインにおいて、工具寿命の延長やそれに伴う刃具費用の低減、工具交換時間の短縮や高速切削化による生産性の向上が可能となります。

当社は引き続き、本開発技術の一層の普及を進めるとともに、更なる研究開発を通じ、鉄系焼結材を使った機械部品の製造コスト削減と鉄系焼結機械部品の品質向上に貢献してまいります。

(*1)JIP クリーンミックス:偏析防止を目的としたプレミックス粉で、鉄粉に黒鉛などの添加物の粉末を特殊な処理によって付着させている。

(*2)JFM:JFE Free Machiningの略。当社はこれまでに4種類の切削改善剤を開発しており、『JFM®3』が第3弾、『JFM®4』が第4弾。

*「JIP」、「クリーンミックス」、「JFM」はJFEスチール(株)の登録商標です。


【図1】『JFM®X』添加焼結材のドリル加工時の切削抵抗

『JFM<sup>®</sup>X』添加焼結材のドリル加工時の切削抵抗

【図2】『JFM®X』添加焼結材の旋削工具磨耗量

『JFM<sup>®</sup>X』添加焼結材の旋削工具磨耗量

【写真1】『JIP クリーンミックス JFM®X』

JIP クリーンミックス JFM<sup>®</sup>X

【写真2】可変バルブタイミング機構部品例(旋削加工とドリル加工が行われる部品例)

可変バルブタイミング機構部品例(旋削加工とドリル加工が行われる部品例
出典:日本粉末冶金工業会ホームページより引用
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 Tel 03(3597)3166

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