ニュースリリース
JFEスチール株式会社
使用済みプラスチック微粉化技術「APR」が岩谷直治記念賞を受賞
当社が開発した使用済みプラスチック微粉砕技術「APR(Advanced Plastic Recycling)」が、第40回(平成25年度)岩谷直治記念賞を受賞し、昨日、日本工業倶楽部会館(東京都千代田区)において贈呈式が行われました。同賞は、わが国高圧ガス関係諸事業の発展に尽力した岩谷直治氏の業績を記念し、エネルギー及び環境の分野で優れた技術を開発し、かつ顕著な産業上の貢献が認められる業績を顕彰して、これら分野の発展と国民生活の向上に寄与することを目的に原則毎年2件以内の技術に与えられるものです。
○受賞案件「使用済みプラスチック微粉化・高炉還元材利用技術の開発による地球環境への貢献」
○受賞者
小倉 滋 | 専務執行役員 | |
浅沼 稔 | スチール研究所 環境プロセス研究部主任研究員 | |
渡辺 芳典 | 東日本製鉄所 京浜地区製銑部技術室長 | |
井ノ口 孝憲 | 東日本製鉄所 京浜地区製銑部原料工場長 | |
寺田 周雄 | 環境・リサイクル部主任部員 |
○使用済みプラスチック微粉砕技術「APR」について
APRは、容器包装プラスチックを溶融・脱塩素する工程と微粉砕する工程で構成されます。今回受賞したのは、加熱溶融・混練・脱塩素し冷却固化した混合プラスチックを粉砕することで、製品粒径が1mm以下の微粉プラスチックを製造する技術です。(従来、工業的に造粒・粉砕される使用済みプラスチックの粒径は、粉砕過程で発生する熱で溶融するため、数mm程度が限界でした。) 製造された微粉プラスチックは、従来使用していた製品プラスチック粒に比べ高炉内での反応性が高いため、容器包装プラスチックを効果的に利用することが可能となり、高炉で還元材として利用することにより、省エネルギー・CO2削減に大きく貢献します。
なお、APRは、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」としての助成を受け、開発されました。
当社はこれまで、積極的な技術開発と設備投資を積み重ね、世界最先端のエネルギー効率・資源循環率・環境保全技術を有する製鉄プロセスの確立に努めてまいりました。資源循環型社会の構築により地球環境に一層寄与していくために、更なる技術開発を進めてまいります。
【写真】日本工業倶楽部での贈呈式
【APR概要】 | |
能力: | 年間16,000トン程度 |
製品仕様: | プラスチック粒径 1mm以下 |
稼動: | 2007年3月 |
所在地: | JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区) |
【写真】APR全景