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JFEスチール株式会社

第11回(平成25年度)新機械振興賞 会長賞を受賞
-高靭性電縫管の溶接品質オンライン検査システム-

当社はこの度、「高靭性電縫管の溶接品質オンライン検査システム」について、財団法人機械振興協会から「第11回新機械振興賞(*1)」の“会長賞”を受賞し、2月19日に機械振興会館(東京都港区)にて表彰式が行われました。今回の受賞は、当社が開発した世界初の電縫管の溶接品質の非破壊全長評価を実施したオンライン検査システムの独創性、革新性、経済性が高く評価されたものです。当社の新機械振興賞受賞は第6回(平成20年度)の経済産業大臣賞受賞に続き、5年ぶり3回目となります。


1.受賞件名:

高靭性電縫管の溶接品質オンライン検査システム

2.受賞理由:

今回の受賞は、低温靭性に影響する酸化物の状態を連続的に検査可能な技術を開発し、電縫鋼管の信頼性と適用範囲を飛躍的に拡大した点が高く評価されたものです。

3.受賞者:

飯塚幸理 当社スチール研究所 計測制御研究部 主任研究員を代表とするグループ

4.開発技術の概要:

本検査システムは、電縫鋼管の低温靭性に影響を及ぼす微細な酸化物を連続的に全長検査できるようにした世界初の技術です。

電縫鋼管は生産性に優れ、寸法精度が高い特徴を有し、鋼管の継ぎ目部分における溶接負荷の低減など、ラインパイプ敷設におけるコスト低減が期待できます。しかし、アラスカなど極寒冷地の低温下では、溶接時に発生する微細な酸化物の影響で靭性が低下するため、より信頼性の高い溶接部が求められていました。

そこで、当社では、フェーズドアレイ技術(*2)を活用して超音波を溶接部に集束させることで、従来の超音波探傷装置に比べて10倍以上の高感度化を達成し、溶接品質へ影響する微細酸化物の状態を検出できる技術を開発しました。さらに高精度なシーム追従技術も開発し、製造中オンラインでの連続全長検査を実現しました。

本検査システムは、東日本製鉄所(京浜地区)および知多製造所の溶接管工場において実用化され、溶接時に発生する酸化物の形態や分布を制御する新しい溶接技術と合わせ、溶接部性能を飛躍的に向上させたラインパイプ用電縫鋼管「マイティーシーム®」(*3)の製造に適用されています。「マイティーシーム®」は極寒冷地用ラインパイプなどに採用され、敷設コスト削減に寄与する鋼管として社会に貢献しております。

当社は今後も独自の設備・技術・商品の開発を通じて、お客様の高度化する様々なご要望にきめ細かくお答えしてまいります。

【写真】機械振興会館での表彰式
【写真】機械振興会館での表彰式

(*1)新機械振興賞:

一般財団法人機械振興協会(会長 庄山悦彦)主催。独創性、革新性及び経済性に優れた機械工業技術に係る研究開発及びその成果の実用化により、新製品の製造、製品の品質・性能の改善又は生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等及び研究開発担当者を表彰対象とする。その中で特に優秀な開発には経済産業大臣賞及び中小企業長官賞が授与される。


(*2)フェーズドアレイ技術:

微小な送受信素子を多数配列したアレイセンサを用い、各素子の送受信タイミングにわずかな時間差を加えることで、ビームの方向や集束位置を任意に設定できる技術。

電縫管溶接品質オンライン検査システムの外観
【図】 電縫管溶接品質オンライン検査システムの外観

(*3) 「マイティーシーム®」:

従来品に比べ溶接部の性能を飛躍的に向上させた電縫鋼管。フェーズドアレイ超音波探傷により連続的に溶接部全長をリアルタイムで探傷。溶接時に発生する酸化物の形態や分布を制御することにより、-50°C以下の低温下における靭性確保が可能となった。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 Tel 03(3597)3166

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