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ニュースリリース


JFEスチール株式会社

2013年 JFEスチール社長年頭挨拶

JFEスチール 取締役社長 林田 英治
取締役社長(CEO)
林田 英治

明けましておめでとうございます。新年にあたりご挨拶申し上げます。

昨年は、欧州の債務危機が長期化し、高い経済成長を続けてきたアジアにおいても減速傾向が強まるなど、世界経済の停滞感が広がりました。日本経済も、7月以降マイナス成長に転じており、いわゆる六重苦問題を背景に、当面は厳しい状況が続くものと想定されます。この状況は鋼材需給においても同様です。経済の停滞によって需要が伸び悩む一方、アジアでは新規設備の稼動が予定されており、鉄鋼の供給過剰傾向は当面続くことを覚悟する必要があります。

こういった閉塞状態を打ち破るためには、環境の好転や経済対策の効果をただ期待するのではなく、自ら行動を起こす必要があります。


昨年を振り返って

昨年は、第四次中期計画最初の年として、コスト競争力の向上による国内収益基盤の強化に取り組みました。
 しかしながら、現在の収益状況は極めて低いレベルにあります。当社の昨年度の連結経常利益は創立以来最低となり、2012年度上期には赤字を計上しました。
  安全については、昨年は重大災害が多発し、尊い人命が失われました。あってはならないことであり、誠に残念でなりません。大いに反省し、再発防止対策を着実に、最後までやり遂げてください。
  また、生産面においても依然として操業トラブルが発生しています。「重大トラブル未然防止活動」を展開して改善傾向にはあるものの、引き続き安定操業の確立に向けた真摯な取り組みが必要です。

その一方、当社およびグループ会社・協力会社の皆さんの一丸となった努力により、昨年度比で1200億円ものコスト削減に目処をつけました。また、世界をリードする高度な技術開発に取り組み、大河内記念技術賞をはじめとした権威ある社外表彰を数多く受賞することもできました。これらは大きな成果だと思います。

本年の重要課題

本年の経営環境は、経済・鋼材需給の両面で、厳しい状況が続くことを覚悟しなければなりません。本年4月には、JFEスチール創立10周年を迎えますが、創立以来今がもっとも厳しい状況にあります。

しかし、世界の鉄鋼需要は、長期的にはアジアを中心に増加する見込みであり、第四次中期計画で掲げた当社の10年後にありたい姿、すなわち「JFEスチールが世界有数のグローバル鉄鋼サプライヤーとして広く認知され、世の中に誇れる会社」という目標は変わるものではありません。10年後にこの目標を達成するためには、まず足下の厳しい環境下でも確実に収益をあげられる体質を確立する必要があり、これなくして会社の存続と今後の発展はありません。

以下、将来の飛躍のために、当社が本年取り組むべき重点課題について申し上げます。

まず、すべての大前提として、「安全最優先」の理念を、日々の生産活動において具現化することです。安全の基本は三現主義です。職場のリーダー自らが現場に出て、現物をみて、実際に作業者から話を聞き現実を知る、ということを徹底し、悪い点があればすぐに改めてください。また、当社の社員のみならず、グループ会社・協力会社まで含めたすべての仲間の命を守るためのコミュニケーションを充実させてください。そして、一度決めた対策は最後まで徹底してやり抜き、その結果を更なる改善につなげていく必要があります。

安全を徹底した上での一つ目の課題は、国内収益基盤の強化です。中でも昨年多発した操業トラブルへの対策を着実に実行してください。安定操業を確立し、生産性が向上すれば、結果として品質・デリバリー・コスト競争力も強化できます。また、過去の投資の成果を計画通り発揮させるとともに、コスト削減についても、立ち止まることなく継続していく必要があります。さらに、財務の健全性を維持するために、収益確保に加えて、在庫削減など資金効率の向上にも積極的に取り組んでください。

二つ目の課題は、世界有数のグローバル鉄鋼サプライヤーとしての地位を確立することです。中期計画策定時に、この目標に向けて各部門・会社が設定した数値目標は、環境の変化にかかわらず各々が達成すべきものです。そのなかでも重要な点は、10年先を見据えた技術開発です。お客様にとって画期的な新商品の開発に取り組むとともに、技術指標については、各部門毎に世界トップの目標を設定し、その達成に向けて技術部会、品種セクターを中心に粘り強い活動を継続してください。また、これらの施策を進める上では、グローバル人材の確保・育成が不可欠です。海外留学や語学研修をはじめとしたさまざまな機会を活用し、一人ひとりが自らの研鑽に励んでください。

三つ目の課題はグループ内連携の強化です。中長期的には、国内の需要が縮減していくことは避けられません。その中で、従来以上にJFEグループ内での連携を強化し、効率的な体制で課題に取り組み、総合力を発揮してグローバル展開を進めなければなりません。海外では、昨年稼動した広州JFE鋼板の冷延・第2CGLに加え、本年稼動予定のタイJSGのCGLを着実に立ち上げる必要があります。また、昨年実施したJSWスチールやサハビリヤスチールとの関係強化の成果を、目にみえる形で実現していくことが重要です。

行動指針

以上の課題に取り組むにあたっての、行動指針を三つ申し上げます。

一つ目は、お客様満足度の徹底追求です。すべての部門が、商談・商品設計から製造・デリバリー・品質保証までの一貫したサービス・サポート体制をより一層強化し、お客様にとってのJFEの良さ、すなわちJFEブランドを確立し、お客様に選んでいただくことを念頭において仕事をしてください。

二つ目はさきほど安全最優先のところでも触れましたが、社内外での徹底したコミュニケーションの実践です。組織の内外それぞれにおけるコミュニケーションを充実させてください。従来のやり方にとらわれることなく、他部門ひいては社外からも良いところをどんどん取り入れ、新たな知見をもとに建設的な議論を活発に行い、新しいことにチャレンジしていただきたいと思います。

三つ目は、足元の対応だけに埋没せず、先を考えることです。一般的に、重要で難しい課題ほど期限は先にあることが多いのですが、足元の対応だけに追われていては、重要な課題が後回しにされてしまいがちです。昨年も述べましたが、自らの業務を整理・棚卸しして、先を考える時間をつくることを意識してください。
 これは、経営全体にも同じことが言えます。経営資源には限りがあり、やりたいことをすべては実行できないと認識して、優先順位を明確にした経営資源の投入を徹底する必要があります。

結びに

最後になりましたが、労働組合の皆さんに一言申し上げます。
 現在の厳しい環境下で、先程申し上げた経営課題に対応していくためには、全社一丸となった取り組みが不可欠です。特に安全については、労使が一体となって真に安全な職場の構築に取り組んでいかなければなりません。
  労働組合とは、今まで以上に意思疎通を図り、ご理解とご協力をいただきながら、諸課題に対して迅速かつ果敢に取り組んでまいりたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

以上、年頭にあたり、所信を申し述べました。
  冒頭でも申し上げましたが、閉塞状態は自ら打ち破るものです。困難な時こそ、一人ひとりが高い目標を掲げ、着実にその達成に向けて努力してほしいと思います。今こそ、全社一丸となってこの難局を乗り切っていこうではありませんか。
 結びに、本年が皆さんとご家族にとって実り多く、健康で幸せな一年となりますよう心から祈念し、新年の挨拶といたします。