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JFEスチール株式会社

第65回(平成30年度)大河内賞を受賞
~重貨物鉄道用高耐久熱処理レール『SP3』~

このたび、当社の開発した重貨物鉄道用高耐久熱処理レール『SP3』が、(財)大河内記念会(理事長:吉川弘之 国立研究開発法人科学技術振興機構特別顧問)より第65回(平成30年度)大河内記念技術賞を受賞し、昨日、日本工業倶楽部(東京・千代田区)にて贈賞式が行われました。

大河内記念技術賞は、生産工学および生産技術上優れた独創的研究成果をあげ、学術の進歩と産業の発展に貢献した顕著な業績に与えられるものです。

 

1.受賞件名:
「究極の微細パーライト組織をもつ重貨物鉄道用高耐久熱処理レールの開発」

 

2.受賞者:

木村 達己 スチール研究所 鋼材研究部 主任研究員
本庄 稔 西日本製鉄所(福山地区) 鋼材商品技術部形鋼室 主任部員
竹正 峰康 西日本製鉄所(福山地区) 鋼材商品技術部形鋼室長
松岡 諒 西日本製鉄所(福山地区) 条鋼部形鋼工場 副工場長
長谷 和邦 技術企画部 主任部員  
 

3.開発の概要:
このたび受賞したレール『SP3』(※1)は、海外の重貨物鉄道や鉱山鉄道などの過酷な使用環境に適合するために開発した耐久性に優れた熱処理レールです。レールの耐摩耗性を向上させるためには硬くする必要がありますが、その反面、延性(※2)や疲労損傷性(※3)の低下が生じるため、従来の技術では両立が困難でした。SP3は、最適な化学成分の設計と当社独自のレール専用オンライン熱処理技術を駆使することで、パーライト(※4)と呼ばれる金属組織を極めて微細化する先進的な組織制御技術を確立しました。その結果、耐摩耗性と同時に優れた耐疲労損傷性や延性を有する高耐久熱処理レールを実現したものです。これまで、北米や豪州の重貨物鉄道に適用され、レールの耐久性向上に大いに貢献しています。 当社は今後とも、お客様のニーズにお応えできる最先端の技術革新、商品開発に注力し、高機能・高品質な鋼材商品の提供を通じて社会に貢献してまいります。

 

(※1)SP3:Super Pearlite type 3の略
(※2)延性:粘り強さのことで、破壊の起こしやすさの指標。一般的には引張試験による伸びを計測し、延性の指標としている。
(※3)疲労損傷:車輪との接触によりレール表面に疲労層が蓄積し、き裂が生成、成長して剥離などの損傷を生じる現象
(※4)パーライト:フェライトと呼ばれる軟らかい相とセメンタイトと呼ばれる硬い相が層状に交互に並んでいる金属組織

 

【写真1】日本工業倶楽部での贈賞式にて
(左より、松岡氏、本庄氏、木村氏、竹正氏、長谷氏)

【写真1】日本工業倶楽部での贈賞式にて(左より、松岡氏、本庄氏、木村氏、竹正氏、長谷氏)

 

【写真2】製造された『SP3』レール

【写真2】製造された『SP3』レール

 

【写真3】『SP3』の使用状況(オーストラリアの鉱山鉄道)

【写真3】『SP3』の使用状況(オーストラリアの鉱山鉄道)

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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