ニュースリリース
JFEスチール株式会社
国内最大厚の建築構造用冷間ロール成形角形鋼管を商品化
~板厚28mmで大臣認定取得し、サイズラインナップを拡充~
このたび当社は、建築構造用冷間ロール成形角形鋼管(以下、「冷間ロールコラム」)の製造範囲を、国内最大となる板厚28mmまで拡大し、国土交通大臣の認定(※1)を取得しました。これにより、当社の冷間ロールコラムの製造可能サイズを5断面、拡充しました。 冷間ロールコラムとしては大径となる、外径450~550mmのシリーズに板厚28mmを加えたほか、外径300・350mmのシリーズも、それぞれ板厚22と25mmの新サイズを揃えました。(表1)
当社は2013年に、冷間ロールコラムとして広く普及している「BCR295」の外径400~550mmシリーズで、板厚25mmを『JBCR295』(※2)として、国内で初めて商品化しました。今回のサイズ拡充は、更なる厚肉化のニーズに応えたもので、強度と靭性を兼ね備え、「BCR295」と同様の設計・施工法が適用できます。(表2)
「BCR295」と『JBCR295』の活用により、主要な用途である事務所、店舗、倉庫等の中低層建築分野(図1)において、居室有効面積の拡大やロールコラムで設計可能な建物規模の拡大に繋がります。
当社は今後、鉄骨造建築物への「BCR295」と『JBCR295』の採用拡大を目指します。また、引き続きお客様のご要望に幅広くお応えすべく、付加価値の高い建築建材商品の開発に努めてまいります。
「BCR」は一般社団法人日本鉄鋼連盟の登録商標です。
(※1)国土交通大臣認定
建築基準法に基づく国土交通大臣認定。建築基準法第37条で指定された材料と異なる材料の使用については、大臣認定の取得が必要となる。今回の認定番号は「MSTL-0495」。
【表1】「BCR295」・『JBCR295』のサイズ表
辺長 (mm) |
板厚(mm) | |||||||
6 | 9 | 12 | 16 | 19 | 22 | 25 | 28 | |
200 | ○ | ○ | ○ | |||||
250 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
300 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○∗ | ||
350 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎∗ | ||
400 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
450 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎∗ | |
500 | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ||
550 | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
○:BCR295、◎:JBCR295、 :今回追加サイズ
・小径サイズ(辺長150mm、175mm)はJFE溶接鋼管株式会社より供給しております。小径を加えたサイズ数は国内最多となります。
・∗印のサイズをご注文の際はあらかじめご相談ください。
【表2】「BCR295」・『JBCR295』(認定番号MSTL-0495)の機械的性質に関する製品規格概要
種類 の 記号 |
板厚 mm |
降伏点 N/mm2 |
引張 強さ N/mm2 |
降伏比 % |
伸び | シャルピー吸収 エネルギー |
||
試験片 | 規定値 % |
試験 温度 ℃ |
規定値 J |
|||||
BCR295 | 6以上 12未満 |
295以上 | 400以上 550以下 |
- | 5号 | 27以上 | 0 | - |
12以上 16以下 |
295以上 445以下 |
90以下 | 27以上 | |||||
16超え 22以下 |
33以上 | |||||||
JBCR295 | 22超え 25以下 |
295以上 445以下 |
400以上 550以下 |
90以下 | 5号 | 33以上 | 0 | 27以上 |
25超え 28以下 |
1A号 | 14以上 |
(※2)『JBCR295』に関する設計法評定の取得 指定性能評価機関である一般財団法人日本建築センターより、『JBCR295』については既存鋼種「BCR295」と同じ設計の取扱いでよいとする評価を取得しています。今回の評定番号は「BCJ評定-ST0216-02」。
【図1】中低層建築で多く採用される構造形式(コラム-H構造)
<参考>
【写真】曲げ試験状況(□-550×28) | 【図】荷重-変形関係(□-550×28) |