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JFEスチール株式会社

平成31年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞
~革新的ミクロ組織制御による高強度・高加工性薄鋼板群の開発~

このたび当社は「革新的ミクロ組織制御による高強度・高加工性薄鋼板群の開発」の成果が認められ、平成31年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰(*1)科学技術賞(開発部門)を受賞し、4月17日に文部科学省(東京・千代田区)にて表彰式が行われました。当社の同賞受賞は2年連続となります。

 
受賞案件 「革新的ミクロ組織制御による高強度・高加工性薄鋼板群の開発」
受賞者 専務執行役員 スチール研究所長 瀬戸 一洋
薄板セクター部主任部員 船川 義正
薄板セクター部主任部員 長谷川 浩平
経営企画部主任部員 小野 義彦
スチール研究所薄板研究部主任研究員 田路 勇樹
 

案件概要:
自動車軽量化によるCO2排出量削減には、車体の主要材料である鋼板の薄肉化が現実的な最有力手段ですが、従来この薄肉化のための高強度化は加工性の低下から引張強さが440~590MPaまでが限界でした。 この開発では、鋼中の炭素原子の分布を制御することで、ナノメートル単位での超微細構造を創り出し、高強度化と加工性を飛躍的に向上させることに成功しました。板厚2~3mmの780~1180MPa級鋼板については、特定の元素配合とすることで従来の1/10の大きさの超微細炭化物を分散させ、炭化物による強化量を従来の10倍に引上げることができました。また、板厚約1mmの780~1470MPa級鋼板では、従来の10倍以上の冷却速度で室温まで急速冷却し即座に再加熱することで、超微細炭化物の均一分散に成功し、鋼板の高強度化と加工性の向上を実現することができました。 これらの開発によって、自動車シャシー・骨格部品の高強度化が進展し、板厚2~3mmの部品では従来440MPa級鋼板に対して29%の軽量化、板厚約1mmの部品では従来590MPa級鋼板に対して最大42%の軽量化が可能となり、自動車全体で大きな軽量化を実現できました。 これにより、自動車の燃費向上による省エネルギー化に貢献するとともに、2017年度で約51万トンのCO2排出削減に寄与することができました。

 

当社は今後も、お客様のニーズにお応えするため、商品開発に注力し、新たなエコプロダクツを世に送り出すことで、CO2排出量削減による地球環境保護に貢献してまいります。

 

(*1)科学技術分野の文部科学大臣表彰:
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。

 

科学技術分野の文部科学大臣表彰

文部科学省での表彰式にて
(左より田路主任研究員、小野主任部員、瀬戸スチール研究所長、船川主任部員、長谷川主任部員)

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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