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JFEスチール株式会社

「漏洩磁束法による鋼板微小凹凸表面探傷装置」が
第53回機械振興賞 機械振興協会会長賞を受賞

当社が開発した「漏洩磁束法による鋼板微小凹凸表面探傷装置」が、このたび一般社団法人機械振興協会(会長:釡 和明)から第53回機械振興賞 機械振興協会会長賞を受賞しました。 機械振興賞は、我が国機械工業における技術開発の一層の促進を図るため、優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械産業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者に対して毎年与えられるものです。当社の機械振興賞の受賞は2年ぶり8回目となります。 なお、2月19日に東京プリンスホテル(東京都港区)において表彰式が行われる予定です。 これを受けて、2月19日に東京プリンスホテル(東京都港区)において表彰式が行われました。

 

1.受賞技術名
「漏洩磁束法による鋼板微小凹凸表面探傷装置」

 

2.受賞者

腰原 敬弘 スチール研究所 計測制御研究部 主任研究員
江草 圭二 西日本製鉄所(福山地区) 薄板商品技術部 自動車室 主任部員
松本  実 西日本製鉄所(倉敷地区) 制御部 制御技術室 主任部員
近藤 宏胤 西日本製鉄所(福山地区) 冷延部冷延工場長
松藤 泰大 スチール研究所 計測制御研究部 主任研究員
 

3.開発の概要
鋼板の製造ラインでは圧延用ないし搬送用ロールに異物が付着することにより生じた凹凸が鋼板に転写され、ロール性の微小凹凸欠陥が生じることがあります。この微小凹凸欠陥は数μmで表面粗さと同等レベルのため、鋼板のままの状態では見えませんが、自動車用に加工・塗装され表面が滑らかになると明瞭になり外観上問題となることがあります。自動車用途などの高品質材ではこれらの混入が許されず、鋼板製造時に鋼板の走行を一度停止し、表面に砥石をかけることで、凹部と凸部での砥石のあたり具合の違いで欠陥を可視化する検査を行っています。 この、微小凹凸欠陥検査の自動化技術の開発は、鉄鋼各社に共通する大きな課題となっており、これまでも光学的な手法、サーモグラフィなど様々な方法がトライされてきましたが、いずれの方法も実用化されてきていませんでした。 この問題を解決するため、微小凹凸欠陥発生のメカニズムに着目し、ロールに生じた凹凸が鋼板に転写される際に歪が生じ、この歪に起因する磁気特性の変化を漏洩磁束法で検出できると考えました。これを確認するため歪と磁気特性の変化について実験し、最適な磁化条件を見出しました。また、探傷ヘッドは鋼板との距離を1㎜に保ちながら1度に100㎜幅を計測します。幅方向の位置を変えながら順次計測していくことで、全幅の計測を実現しています。これらの技術を開発し、オンラインで微小凹凸欠陥を検出する装置の実現に成功しました(図1・2参照)。 本発明により、これまで人手に頼っていた鋼板の微小凹凸欠陥検査の自動化を世界で初めて実現し、自動車用高品質鋼板の安定製造に寄与するとともに人手の検査を省略することで生産性を向上させることに成功したものです。

 

当社は今後とも、積極的な技術開発と設備投資を積み重ね、高品質な薄鋼板の安定供給を可能とする製造プロセスの確立に努めてまいります。

 

【写真】左から
倉敷制御部 松本 実、福山薄板商品技術部 江草 圭二、
計測制御研究部 腰原 敬弘、計測制御研究部 松藤 泰大、福山冷延部近藤 宏胤

第53回機械振興賞表彰式

 

【図1】漏洩磁束法による鋼板微小凹凸表面探傷装置の外観

【図1】漏洩磁束法による鋼板微小凹凸表面探傷装置の外観

 

【図2】探傷ヘッドの構成

【図2】探傷ヘッドの構成

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166  

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