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ニュースリリース


JFEスチール株式会社

フェロコークス製造のためのパイロットプラント建設について

当社はこのたび、フェロコークスの製造プロセス技術開発の一環として、本プロセスのパイロットプラントを、西日本製鉄所(福山地区)に建設することを決定しました。

フェロコークスは、一般炭と低品位鉄鉱石の混合成型・乾留により製造されます。フェロコークス中に含まれる金属鉄の触媒作用を活用して、高炉内の還元効率を飛躍的に高めることで、従来よりも高炉内に入れるコークス量を削減することができる、省エネルギー技術です。

今回建設予定のパイロットプラントは、製造量300トン/日規模の中規模製造設備で、新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)による「環境調和型製鉄プロセス技術の開発/フェロコークス活用製銑プロセス技術開発」プロジェクトとして、建設します。 実高炉内において、フェロコークスを長期的に連続使用した際の、高炉の還元材比や操業安定性に及ぼす影響を評価する計画です。ここでの実証研究を経て、高炉使用時の二酸化炭素排出量の大幅削減、省エネルギー、劣質石炭・鉱石使用による、資源対応力強化を目的としたフェロコークス製造技術を開発し、2022年頃までに製銑プロセスのエネルギー消費量10%削減技術の確立を目指します。

なお、スチール研究所内にフェロコークスプロジェクト推進班を新設し、当プロジェクトの確実な推進、および安全管理を徹底しております。

当社は、資源循環社会の構築により、地球環境に一層寄与していくために、更なる技術開発を進めてまいります。

 

【事業概要】
1. 総額:約201億円(予定) 助成率1/2
2. 期間:2017年~2021年

【建設概要】
1. 費用:約150億円(予定) 助成率1/2
2. 期間:2017年度~2019年度上期

 

【参考】フェロコークス概要

フェロコークスとは、高炉内で起こっている鉄鉱石還元反応の効率自体を改善し、二酸化炭素の発生量を大幅に削減する革新的な高炉原料です。石炭と鉄鉱石を事前に粉砕・混合・成型し、連続式の乾留炉で加熱することで、内部の鉄鉱石を金属鉄に、石炭をコークスにした複合塊成物です。フェロコークスに使用する原料として、従来に比べて、品位の低い石炭や鉄鉱石の使用割合を大幅に増加できます。 高炉では、通常のコークスの一部をフェロコークスで置き換えて使用します。操業中の高炉内では、一酸化炭素(CO)による鉄鉱石(焼結鉱)の還元反応の進行により、二酸化炭素(CO2)が発生しています。フェロコークス内部に含まれている超微粒の金属鉄は、このCO2がコークス(C)と反応し、還元ガス(CO)を再生成する反応(C+ CO2=2CO)の触媒(*1)となり、反応速度を大幅に向上させます。その結果、CO濃度が上昇、鉄鉱石(焼結鉱)の還元反応は低温度でも進行するようになり、還元材比の大幅な低減が期待でき、CO2排出削減、省エネに寄与します。

 

【図1】フェロコークス製造プロセスフロー

【図1】フェロコークス製造プロセスフロー

 

【図2】フェロコークス

【図2】フェロコークス

 

【図3】フェロコークス使用によるCO2低減

【図3】フェロコークス使用によるCO2低減

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166

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