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JFEスチール株式会社

世界最高強度1470MPa級冷延ハイテンを新開発・実用化
~第13回エコプロダクツ大賞 経済産業大臣賞受賞~

当社はこのたび、1470MPa級冷延ハイテンを新たに開発し、バンパーレインフォースメント(以下、「バンパーR/F」)として実用化しました。常温で成形する冷間加工による自動車部品の強度としては、世界最高強度です。

 

【図1】開発した冷延ハイテンを使用したバンパーR/F

【図1】開発した冷延ハイテンを使用したバンパーR/F
 

バンパーR/Fは、衝突時に乗員を保護する自動車前後部の部材で、衝撃を受けとめるために鋼板の高強度化が求められています。しかし、高強度化するほど成形加工が難しくなり、また遅れ破壊(※1)が発生する懸念も出てくることから、これまでは主に980MPa級ハイテンが使用されていました。また、ホットプレス工法(※2)が採用された例もありますが、生産性および製造コストに課題がありました。

(※1) 遅れ破壊:プレス成形後の静的な脆性割れのこと。一般的に1180MPa級以上の強度の材料において、発生が懸念される。
(※2) ホットプレス工法:鋼板を高温に加熱してプレス加工することで、成形と焼入れ硬化を同時に行う工法のこと。
 

そこで当社は、西日本製鉄所(福山地区)にある独自のWQ方式(※3)連続焼鈍プロセス(JFE-CAL)を活用し、冷間加工用の鋼板としては世界最高強度の1470MPa級冷延ハイテンを開発しました。これはWQ方式の極めて高い冷却速度(1000℃/秒以上)を利用して高強度化し、遅れ破壊の原因となる合金の添加を極限まで低減することで、1470MPa級の高強度と耐遅れ破壊特性を両立させたことによるものです。今後は、今回実用化したバンパーR/Fだけでなく、ドアインパクトビーム(※4)や骨格部品など、高強度が求められる他の自動車部品への展開も目指します。
(※3)WQ方式:水焼入れ。Water Quench。
(※4)ドアインパクトビーム:図1参照。

 

自動車部品の高強度化は、衝突安全性の向上だけでなく、車体軽量化によるCO2低減効果にも寄与します。この環境貢献が評価され、今回開発した1470MPa級冷延ハイテンは、第13回エコプロダクツ大賞の経済産業大臣賞を受賞しました。

 

当社は今後も、自動車用ハイテンの更なる高性能化と適用技術の開発を進め、軽量化をはじめとする様々なお客様のご要望にお応えしてまいります。

 

【写真】開発した冷延ハイテンを使用したバンパーR/Fの断面

【写真】開発した冷延ハイテンを使用したバンパーR/Fの断面
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166

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