ニュースリリース


JFEスチール株式会社

横浜市との山下公園前海域共同研究でアマモなどの生物種数の増加を確認
~鉄鋼スラグ製品が生物付着基盤として有効に機能~

当社が横浜市と行っている、横浜市山下公園前海域での鉄鋼スラグ製品を活用した共同研究(*)に関して、このたび、当海域で自生のアマモ(海草)をはじめとする生物種数の増加を確認しました。鉄鋼スラグ製品が生物付着基盤として有効に機能していることが、改めて確認されました。

「マリンブロック®」をはじめとする鉄鋼スラグ製品は、鉄鋼製造工程で副産物として生じる鉄鋼スラグを活用した製品です。「マリンブロック®」や「マリンロック®」は海藻、貝などの生物付着基盤となり、また「マリンストーン®」は底質改善材としての機能に加え、「マリンロック®」と共にカニやナマコや底魚などの住みかや隠れ家となります。いずれも、海の生物による水質改善に寄与し、自然の海の環境を形成して生物多様性を高めることに貢献します。

当社は、横浜市との間で共同研究に関する協定を昨年9月11日に締結し、同年10月には共同研究を開始しました。研究開始後1年間で、鉄鋼スラグ製品設置前(2013年10月)および設置後(2013年11月、2014年2月、5月、8月)の計5回のモニタリング調査を行った結果、鉄鋼スラグ製品を設置している区域(試験区)では、設置していない区域(対照区)と比べて、生物種数の増加がみられ、鉄鋼スラグが生物付着基盤として有効であることが確認されました。また、試験区では、対照区と比べて水中透明度が高くなっていることも確認され、付着生物(ホヤや貝類、海藻、ナマコ)などの働きによって水中の有機物などがろ過されていると推測できます。

鉄鋼スラグ製品設置後に増加した生物の中には、山下公園前海域では近年ほぼ観察されなかった、アマモの生息も含まれています。水質や底質が清浄な場所に生息するアマモは、浅海域で光合成を行って酸素を供給し、また魚の住処や産卵場としても大切な役割を担うことから、今後、豊かな海が形成されていくことが期待できます。今後もモニタリングを継続し、生物生息環境の改善効果を確認していきます。

当社は今後も、鉄鋼スラグの活用事業を通じ、地球環境保全に貢献する技術開発に努めてまいります。

(*)共同研究の概要
研究名   「山下公園前海域における水質浄化能力の回復に向けた生物生息環境の改善手法」に関する共同研究
研究内容   山下公園前海域において、生物付着基盤や底質改善の効果が期待される鉄鋼スラグを原料とする再生資材を沿岸域に配置し、浅場を造成する。その後、定期的なモニタリング調査を行い、海域が本来持っている生物による水質浄化能力の回復に向けた生物生息環境の改善手法を検討する。
研究期間   2013年10月16日~2016年3月31日

※「マリンブロック®」、「マリンロック®」、「マリンストーン®」はJFEスチール株式会社の登録商標です。


【図】鉄鋼スラグ製品配置概略

鉄鋼スラグ製品配置概略

【写真】
マリンブロック®に付着するヒトデと海藻
マリンブロック®に付着するホヤと海藻
マリンブロック®に付着するヒトデと海藻
(2014年2月・シェルベット部)
マリンブロック®に付着するホヤと海藻
(2014年5月・シルト・ヘドロ部)

マリンロック®に付着する貝やイソギンチャクなど
マリンロック®近辺で自生するアマモ
マリンロック®に付着する貝やイソギンチャクなど
(2014年8月・シェルベット部)
マリンロック®近辺で自生するアマモ
(2014年8月・シェルベット部)

【参考資料】各スラグ製品で浅場を造成した場合のイメージ図

各スラグ製品で浅場を造成した場合のイメージ図

「マリンブロック®
鉄鋼スラグに二酸化炭素を吹き込み固化したもので、サンゴや貝殻と同じ主成分を有し、海藻やサンゴ着生効果を持つ藻場・サンゴ礁造成用ブロックです。

「マリンロック®
鉄鋼スラグから製造される準硬石相当の人工資材。限りある天然石材に代わる資源循環型・環境保全型の土木、海洋工事、港湾・空港工事資材として、あるいは護岸や藻場造成材、被覆石として使用されています。

「マリンストーン®
鉄鋼スラグの粒度等を調整した砂利状のスラグ製品。海底に敷設することで、多様な底生生物・藻類の生息基盤となること、貧酸素水塊の発生の原因となる硫化物の溶出を抑制することが確認されています。

「カルシア改質土」
鉄鋼スラグの成分、粒度管理を施したカルシア系改質材と浚渫土と混合させて水和固化させた改質土で、浅場造成や窪地埋め戻しに利用されます。
本共同研究では使用しません。

なお、当社のスラグ加工技術・製品につきましては下記URLにて紹介しています。
http://www.jfe-steel.co.jp/products/slag/index.html
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 Tel 03(3597)3166

ニュースリリース一覧へ戻る