ニュースリリース
JFEスチール株式会社
「全国発明表彰」を2年連続で受賞
~耐震ラインパイプ『HIPER®』~
このたび、当社の開発した「耐震ラインパイプHIPER®(*1)」が、公益社団法人発明協会(会長:庄山悦彦)から、「平成27年度全国発明表彰 発明賞」を受賞しました。
全国発明表彰は、我が国の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、公益社団法人発明協会が、多大の功績をあげた発明、あるいは、その優秀性から今後大きな功績をあげることが期待される発明を表彰するものです。当社の全国発明表彰受賞は、昨年の経済産業大臣発明賞に続き2年連続で、JFE発足以来6回目となります。表彰式は6月17日(水)にホテルオークラ(東京・港区)にて行われます。
- 受賞件名:
- 受賞者:
- 発明の概要:
「変形性能に優れたパイプライン用高強度鋼管の発明」
石川 信行 | スチール研究所 鋼材研究部 主任研究員 |
遠藤 茂 | 技術企画部 企画グループリーダー(理事) |
新宮 豊久 | スチール研究所 薄板加工研究部 主任研究員 |
岡津 光浩 | スチール研究所 鋼管鋳物研究部 主任研究員 |
地震地帯や凍土地帯に敷設されるパイプライン用鋼管は、地盤変動による変形を受けても座屈しにくい、高い変形性能が要求されます。これに対して、最先端の材質設計技術と、西日本製鉄所(福山地区)厚板工場のオンライン加熱設備「HOP®(*2)」および、加速冷却装置「Super-OLAC®(*3)-A」を最大限に活用し、従来に比べて高い耐座屈性能を有するパイプライン用高強度鋼管「HIPER®」を、世界で初めて開発しました。この結果、これまで困難であった大幅な管厚の低減が可能となり、パイプラインの建設費用削減と安全性向上の両立を実現しました。これにより、地震凍土地帯を通る多くのパイプラインに「HIPER®」が採用されています。
なお、耐震ラインパイプ「HIPER®」は、2007年度「第34回岩谷直治記念賞」、2010年度「科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)」、2013年度「第60回大河内記念技術賞」、2013年「R&D Award 100」を受賞しており、国内外から高い評価を受けています。
当社は今後とも、お客様のニーズにお応えできる最先端の技術革新、商品開発に注力し、鋼管をはじめとする高機能・高品質な鋼材商品の提供を通じて、世界の資源・エネルギー開発に貢献してまいります。
(*1)HIPER® : Higher Performance for Earthquake Related Ground Movements の略。
(*2)HOP® : Heat-treatment On-line Process の略
(*3)OLAC® : On-Line Accelerated Coolingの略
【図】地震地帯での断層による埋設鋼管の変形(左)と曲げ変形による座屈発生(右)
【写真】 耐震ラインパイプ『HIPER®』の敷設状況